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米Facebook、全く新しい検索「Graph Search」を発表
(2013/1/16 12:08)
米Facebookは15日、ウェブ検索とはかなり異なる新種の検索サービスと銘打った「Graph Search」を発表した。同時に、米Microsoftの検索サービスBingとの連携強化も発表し、検索最大手の米Googleとついに本格的に競合することになる。
従来のウェブ検索では、キーワードに合致した最善のページを表示することを主眼にしている。しかしFacebookのGraph Searchは、ソーシャルネットワーク内のコンテンツをフレーズの組み合わせて検索する。
検索例として、「私の町に住んでいる友人」「サンフランシスコ在住のソフトウェアエンジニアでスキーが好きな人」「1999年以前の友人の写真」「インド出身の私の友人のみが『いいね!』ボタンを押したインドレストラン」などが挙げられている。
検索結果には、Facebookですでに共有されているコンテンツのみが表示される。これらはFacebook外からは検索できない種類のコンテンツだが、Facebook内からはすでに検索できる内容に限られているという。Graph Searchでは開発当初からプライバシーを念頭に置いていたとしている。
今日の発表時点でGraph Searchはベータ版の限定的プレビューの公開となる。当初はFacebookコンテンツのごく一部のみ(人、写真、場所、興味)を検索対象とし、ロールアウトはゆっくりと行い、人々の利用方法を観察しながら改良を加えていく計画だ。一刻も早くサービスを利用したい希望者は、ウェイティングリストに登録することもできる。
MS Bingとの連携も強化
これと関連して同時に発表されたのは、米Microsoftの検索サービスBingとの連携強化である。
米MicrosoftはBing公式ブログにおいて、この点について追加的な情報を公開した。同社によれば、FacebookとMicrosoftのBingチームは協力しながら開発を行ったという。
FacebookのGraph SearchはFacebook内のコンテンツ検索に限られているが、それ以上のウェブ検索に関しては、Bingが受け持つ。これによって、検索時に、自分のソーシャル情報と同時に、関連したBingによるウェブ検索結果やニュース等の情報も同時に入手できることになる。
表示レイアウトも2コラムになり、左側にBingによるウェブ検索結果が、右側にFacebookページやアプリ等が表示されることになるとしている。
Microsoftは、2007年にFacebookに対して2億4000万ドルの戦略的投資を行い、それ以降密接な連携関係にある。
ソーシャル検索分野では最大手GoogleもGoogle+を利用して類似した検索結果を提供している。しかしGoogle+利用者の伸び悩みによってFacebookとは比べるべくもない。
米国内での最新の検索シェアは調査会社comScore社によると、2012年12月時点でBingは16.3%とされ、Googleの66.7%には遠く及ばない。しかしFacebookのGraph Searchが成功を収め、膨大なユーザーが日常的に利用することになれば、それらのユーザーは同時にBingを利用することにもなる。その影響はかなり大きい。それと同時にFacebookがウェブ検索に進出するようなことがあれば、Bingの相対的な影響力が低下してしまうリスクも当然あるだろう。