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米Apple、iPad 128GBモデルを発表~ノートPCのライバルに?

 米Appleは29日、第4世代iPad Retinaディスプレイモデルの128GBバージョン(Wi-Fi、Wi-Fi+セルラーモデル)を発表した。2月5日よりWi-Fiモデル6万6800円、Wi-Fi+セルラーモデル7万7800円にてAppleストア、Apple製品取扱店などの直営店限定で販売される。

 Appleではストレージ容量がこれまでの最大64GBモデルから2倍になることで、「特に3D CADファイル、X線画像、映画編集、音楽トラック、プロジェクト設計図、トレーニングビデオ、サービスマニュアルといった膨大なデータを日常的に扱う企業」での用途を想定するとし、CADソフト大手Auto Cadの副社長、プロフェッショナル向けオーディオ企業WaveMachine LabsのCEO、プロスポーツにおけるゲーム分析を行うGlobal Aptitude社による推薦の言葉をプレスリリースに掲載している。

 128GBモデルは単に「容量が2倍になった」というだけではない。「128GB」という数字は、近年のSSD搭載ノートパソコンのエントリーモデルと容量、価格帯共にほぼ同等、あるいはiPadの方が若干安めとなる。iPad 128GBモデルは、ウルトラブック、MicrosoftのSurface Windows8 Pro、さらにはApple自社のMacBook Airとさえも、まともに競合する製品となった。

 特に注目されるのは、米国市場で2月9日発売予定(iPad 128GBの4日後)となっている米MicrosoftのSurface Windows 8 Proだ。Surface Windows8 Proは128GBモデルが発売されるが、実際のユーザー利用可能容量が80GB程度になるのではないかとの憶測が流れ、iPadよりも短いバッテリー持続時間などが懸念されている。価格はSurface Windows 8 Pro下位モデル(64GBモデル)で899ドルだから、iPad 128GBの方がコストパフォーマンスで優る。

 熱狂をもって迎え入れられた初代11インチMacBook Airのエントリーモデルは、128GBしか搭載していなかった。現在でも11インチMacBook Air最下位モデルは64GBのSSDしか搭載していない。そうなれば、使用用途によってはMacBook Airにすら対抗できる端末になりうる。AppleのMacBook製品ラインにも影響を与えることは容易に考えられる。

 Ultrabook PCもストレージ容量は同程度、価格はより高いということになりかねない。こうしたことから、用途によってはiPadの方が使用しやすく、信頼性も高いということになるだろう。こうした意味で、iPad 128GBモデルは単なる大容量iPadというだけではなく、Appleにとって戦略的意味の大きいモデルといえそうだ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)