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グーグル、東日本大震災復興支援で新プロジェクト「イノベーション東北」

地域と全国をクラウドマッチングでつなぐ〜Google Appsの1年間無償提供も

グーグル株式会社 代表取締役 有馬 誠氏

 グーグル株式会社は5月21日、東日本大震災の復興支援で新プロジェクト「イノベーション東北」を開始すると発表した。5月21日よりサイトを開設し、プロジェクトの情報発信のほか、現地コーディネーターやサポーターの募集も行う。

 「イノベーション東北」は、震災から3年余り経過した被災地でのビジネス復興に焦点をあてた支援プロジェクトとなる。地域のコーディネーターと全国のサポーターをクラウドマッチングにより結びつけ、ビジネス復興を支援するのが狙い。グーグルは事務局を務めプロジェクトの運営費用を負担するほか、Google Apps for Businessを被災地の企業や団体を対象に1年間無償提供する。

 Google Apps for Businessの1年間無償提供の対象となるのは、スタートアップ企業から中小・中堅企業の企業・組織・NPOで、発行アカウントは1組織あたり1000アカウントまで。「イノベーション東北」サイトから申し込みでき、受付期間は5月21日から8月31日まで。Google Apps for Businessは、通常年間費用が1アカウント6000円となっている。

 グーグル株式会社 代表取締役 有馬 誠氏は、「東日本大震災から3年余りが経過したが、Googleはまだまだやらなければならないことがあるという認識でいる。これからいかに次世代につないでいくのか、被災地で元気を出して立ち上がろうといいう人々や地域をインターネットでいかに支援できるかを考えてきた。今日はその1つとして、現地でお話をいろいろ聞いた上で、こういうことでお役に立てるのではないかという考えて、新プロジェクトを始めることにした。今回は東北のビジネス支援になる」と挨拶した。

 続いてグーグル株式会社 執行役員 藤井宏一郎氏が新プロジェクト「イノベーション東北」を開始する背景などを説明。

 「Googleはこれまで、迅速な情報提供とデジタル・アーカイブを2つの柱として支援を行なってきた。具体的には、Google災害情報の開始や、東京都はじめ全国の自治体と防災協定を結んだりといった活動を行なっている。また、福島県浪江町のストリートビューを公開したが、まさにいま、被災地の沿岸部の撮影も進めているところだ」とこれまでの支援活動を紹介した。

 「そうした支援活動を通じて、Googleでは、実際に現地に入り、被災者や現地で支援をしている人など、いろいろな人と話をしてきたが、震災後3年が経ち、現地では地域再建、経済復興のニーズが高まってきた。」(藤井氏)

 「事業の拡大にインターネットが使えないか」、「新サービスを開始したがインターネットで認知度を高められないか」といった声がたくさん届くようになっているという。そうした声を受けて、インターネットの力で、現地のビジネスニーズ、全国のサポーターの方々をつなぐサービスとして今回の「イノベーション東北」プロジェクトを開始したと述べた。

イノベーション東北
http://www.innovationtohoku.com/
クラウドマッチングにより、地域コーディネーターと全国のサポーターをつなぐ

 具体的には、「イノベーション東北」プロジェクトのサイトを5月21日に開設。地域コーディネーターと、全国からサポーターを募集し、クラウドを介してつながったビジネスの進展などを随時情報発信していく。

 地域コーディネーターは各地域に根ざして活動してきた人で、地域のビジネスの立ち上げや進展などをきめ細かくサポートできるような人を条件としている。すでに、岩手県釜石市、岩手県大槌町、宮城県三陸町、岩手県大船渡市ではコーディネーターが決まっているが、その他の地域については、サイトへの応募者などから探していくという。

 サポーターもすでに協力を申し出ているNPO法人の理事長やシステムエンジニア、ウェブデザイナーなどがいるが、「イノベーション東北」サイトを通じて広く全国から募集していく。サポーターの報酬については、無償協力が条件となる。自立したビジネスに成長させていくことがプロジェクトの目的でもあり、将来的には当事者同士の話し合いで有料という形になる可能性もあるが、少なくとも現時点では無償協力が条件となるという。

 コーディネーターが地域のニーズを吸い上げ、ニーズに合うサポーターに協力を依頼するという“クラウド マッチング”がプロジェクトの肝だ。「大槌町、仙台、福島など、地域によって異なるニーズがある。それぞれのニーズを吸い上げ、きちんと理解した上で、各地域でビジネスの発展をインターネットを通して支援していきたい。」(グーグル株式会社 イノベーション東北チーム 根来香里氏)

 Google Apps for Businessの1年間無償提供にあたっては、株式会社エム・エス・アイ、株式会社サテライトオフィス、株式会社電算システム、クルーシャルワークス株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、日本事務器株式会社が賛同パートナーとして協力。Google Apps for Business導入のサポートなどを行う。

 各地域ではワークショップも開催し、Google Apps for Business導入についてや、インターネットを活用したビジネス事例などを紹介。インターネットがビジネスにどう活用できるかという可能性の啓蒙をはじめ、それぞれの地域に合ったビジネスワークショップを企画開催していくという。

プロジェクトの鍵となるのが地域のニーズを吸い上げ各種調整を行うコーディネーターだ
グーグルは事務局を務めるほか、Google Apps for Businessを1年間無償提供
Google Apps for Business 1年間無償提供の導入サポートを行う賛同パートナー
各地域でワークショップも行なっていく

(工藤 ひろえ)