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フレッツ 光ネクストのIPv6接続、PPPoEアダプター不要に、宅内装置に一体化
(2013/5/23 20:02)
NTT東西のFTTHサービス「フレッツ 光ネクスト」の加入者向けに提供されているPPPoE方式によるIPv6接続サービス(IPv6 PPPoE)において、ユーザー宅に設置する必要のあった専用の外付けアダプター機器が不要になる。NTT東西のホームゲートウェイ(HGW)にPPPoEアダプター機能を搭載することで、NTT東西と一般社団法人インターネットプロバイダー協会(JAIPA)が基本合意した。23日に総務省で開催された「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」の第24回会合で、NTT東西とJAIPAが報告した。
IPv6 PPPoEは、加入者宅からISPのIPv6網へPPPoEセッションを確立して接続する方式。その間にあるフレッツ 光ネクストの中継網(NGN)をトンネリングで抜けるため、トンネリングを行うためのアダプター機能を加入者宅側に設ける必要がある。
そのPPPoEアダプター機能を、フレッツ 光ネクストでHGWとして提供されている「ひかり電話対応ルータ」の一部現行機種(型番が300番台/400番台)と今後投入する新機種において、2013年度末より順次提供する。新規加入者だけでなく、既存加入者であっても、対応機種であれば機器交換不要でファームウェアのアップデートにより自動で対応が完了するという。IPv6 PPPoE接続用のID/パスワードの設定も自動的に行われるため、ユーザー側の作業も不要だとしている。
IPv4アドレス枯渇問題もあって、国内でのIPv6の普及に向けたNTT東西およびISP各社の対応により、フレッツ 光ネクストのIPv6接続サービスは申し込みの簡素化や無料化、新規加入者へのデフォルト提供などの施策が進んだ。しかしながら、エンドユーザーにとってメリットを訴求できないIPv6接続サービスのために、わざわざ外付けアダプター(あるいはアダプター機能を搭載した無線LANルーター)を購入・設定してもらわなけえればならないことが、IPv6 PPPoEの利用拡大のネックになっているという。研究会が2012年7月に公表した報告書でも、今後の重点課題として指摘されていた。
JAIPAでは、IPv6 PPPoE方式によるサービス提供を希望するISP(9社)がサブワーキンググループを発足し、NTT東西と2012年5月より協議。2013年3月に基本合意に至った。その結果、当初は公平な競争環境確保という意図もあってNTT東西のHGWと分離したかたちで提供されることになったPPPoEアダプターだが、今回の合意によりHGWに一体化されることになる。来週5月28日には、NTT東西とJAIPAがISP事業者向け説明会を共同で開催し、詳細を明らかにする予定。
なお、PPPoEアダプター機能が搭載されるのは「ひかり電話対応ルータ」であるため、ひかり電話を契約していないフレッツ 光ネクスト加入者宅はカバーされないことになる。23日の会合では、研究会の委員からそれらの加入者への対応の必要性も指摘された。