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ビッグローブ事業方針説明会、「3〜5年後の上場を目指す」古関社長

ビッグローブ株式会社 代表取締役社長 古関義幸氏

 ビッグローブ株式会社は4月8日、事業方針説明会を開催した。NECは1月30日に、旧BIGLOBEの全株式(78.0%)を日本産業パートナーズ株式会社の投資ファンドが出資する特別目的会社に売却することを発表。その株式譲渡を完了し、4月1日に社名をビッグローブ株式会社に改めてから初めての記者会見となる。

 ビッグローブ株式会社 古関義幸社長はNECグループを離れたことについて「社内はとくに何も変わっていない」として、「ビッグローブはずっと黒字経営を続けているし、せっかくこういうチャンスをいただいたので、3〜5年後の上場を目指したい」と述べ、上場への意欲を表明した。

 古関社長は開発中の腕時計型ウェアラブル端末も披露した(この端末については別途記事にしたためそちらを参照していただきたい)。もともと独自機能を搭載したAndroidタブレットを開発するなどこれまでにもチャレンジングな取り組みをしてきたビッグローブだが、NECグループの看板が外れたことでより身軽になったためか、よりスピード感ある“攻め”の経営姿勢が見られた事業方針説明会となった。

バラバラのネット接続をひとつに〜VNO事業者へ

 古関社長は、ビッグローブでも光、モバイル、Wi-Fiの各接続サービスを扱っているが、現在はそれぞれ別に契約し、接続設定も個々に行わなくてはならない状況で、ユーザーからこれらをまとめて使えるようにしてほしいとの要望があると説明。ビッグローブは「バーチャルネットワーク事業者=VNO」を目指し、「サクサク」「どこでも」「かんたん」をキーワードに、どこでも最も速い回線を自動選択してユーザーが意識せずにいつもベストの接続環境を保てるサービスを提供していく方針を述べた。

 古関社長はそのひとつとして、Wi-Fiの使い勝手がまだ悪いと述べ、Wireless Broadband Allianceで策定する次世代規格「Next Generation Hotspot」を「いち早く取り入れて、2015年になってしまうかもしれないが対応サービスを提供したい」と述べた。「Next Generation Hotspot」ではSSIDの入力が不要で利用はより簡単になり、セキュリティはより高度になるという。実現するソフトウェアは、「オートコネクト」というソフトで、すでにビッグローブの端末には入っているが、今いる場所で最も速い回線を自動選択してつなげるものだと説明。

 古関社長は「未来につながるというのがビッグローブのコンセプト。サクサク・どこでも・かんたんな接続サービスを提供することで、人の心をつなげたい」と語った。

回線ごとにバラバラの契約・サービスをまとめ、シームレスに使えるサービスに
「Next Generation Hotspot」ではSSID入力が不要に
すでに提供中の「オートコネクト」は複数のWi-Fi、LTEから最速の回線を自動選択できる

1G光、090番号がそのまま使える「ほぼスマホ」、SIM利用者向け端末補償サービス

 現在ビッグローブのブロードバンド利用者シェアは8.4%で、OCN 17.7%、Yahoo!BB 11.9%、au one net 8.9%に次いで4位だが、「独立系としてはトップ」(古関社長)で、利用者数でみると2013年は303万人。

 古関社長は、「光回線は非常に重要。もっとサクサク動画が見たいという場合には光回線が重要になる」と述べ、動画サービスが普及し、さらに4K映像配信も視野に入ってきた現在は光回線が重要性を増すと指摘した。ビッグローブでは2014年内には1Gbpsの光回線を提供し、もっと利用者を増やしたいと述べた。

 現在伸びているMVNO SIM市場については、日本国内の契約者数は2013年12月で577万件で、モバイル回線全体の3%シェアに当たると現状を説明。MVNOのシェアは北米で10%、欧州11%、豪州14%とMVNO先進国では10%を超えており、ビッグローブでは総務省やMM総研の調査を元に、2014年には778万件、2015年には1005万件、2016年には1226万件と年平均で20%を超える市場成長を予測していると述べた。

日本のMVNO市場
MVNO先進国では、すでにMVNOのシェアが1割を超える

 ビッグローブでも昨年12月に月額933円(税別、税込価格980円)のBIGLOBE LTE・3Gエントリープランを開始。今年2月には月額2950円(税込)の「Wi-Fiほぼスマホ」最新モデルの「AQUOS PHONE for BIGLOBE」(SH90B)の販売を開始、合わせて新たにSMSに対応したSIMカードの提供も開始した。

 いずれも利用者から好評を得て契約数も伸びているが、SIM単体では、4月1日にBIGLOBE LTE・3Gのエントリープランを月933円から900円(いずれも税別)に値下げし、消費税アップ後も月額1000円を超えない価格とした。

 「Wi-Fiほぼスマホ」については、店頭で「通話はIP電話を使うことになり、050番号を使っていただくことになる。これまで使っていた携帯電話の番号は利用できない」と聞くと購入を止める人が多い」と携帯の番号を引き継げないことがネックとなって乗り換えないユーザーが多くいるとして、090などのナンバーポータビリティが使える、「ほぼスマホ」から“ほぼ”が取れたスマートフォンを7月に提供開始すると発表した。価格は未定だが、「データを使うプランなので、エントリープランにオプションでいくばくかお払いいただくと使えるという感じを考えている」(古関社長)という。

 またMVNO関連では、「モバイル機器補償ライト」というサービスを4月23日に開始する予定だと発表。SIMを挿した端末の修理代金を3万円まで補償するサービスで、メーカーの保証期間が切れた端末にMVNO SIMを挿して利用しているユーザーの場合、端末の修理補償が受けられないという現在の制度の穴をカバーするものとなる。

ナンバーポータビリティが利用でき、既存の携帯番号を引き継いで通話できる「ほぼスマホ」後継機は7月に登場予定
4月23日開始予定の「モバイル補償機器ライト」

(工藤 ひろえ)