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ネット衛星「きずな」で3.2Gbps実現、4K非圧縮の衛星伝送に世界で初めて成功

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は12日、インターネット通信衛星「きずな(WINDS)」を使用して、衛星伝送で世界最高速の3.2Gbpsを実現するとともに、世界初となる4K映像の非圧縮衛星伝送に成功したと発表した。

実験概要

 きずなの通信性能が、6年前に打ち上げられた当初の伝送速度(622Mbps)の約5倍に向上できたとしている。なお、4年前には、きずなに搭載している中継機の1.1GHzの帯域幅を最大限使用することで、単一搬送波による1.2Gbpsの伝送速度に成功。しかし、単一搬送波方式ではさらなる高速化には限界があるとして、今回、16値振幅位相変調・直交周波数多重方式(16APSK-OFDM)による方式を開発したという。

 また、4K映像の非圧縮衛星伝送は、「マルチチャネル映像伝送コーデック」をきずなのIP衛星伝送プロトコルに組み込みことで実現したという。同コーデックは、多数のチャンネルの映像を同時同期伝送できるスケーラブルな映像伝送システムとしてNICTが開発したもの。

 これらの成果により、今後、きずなの大型車載地球局を使って、4Kの高精細映像を用いた被災地の映像伝送などが期待されるとしている。

きずなの大型車載地球局

(永沢 茂)