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電子書籍ストアの利用率、楽天koboがKindleをわずかに上回る~ICT総研調査
(2014/10/16 17:06)
株式会社ICT総研は15日、電子書籍コンテンツ市場動向に関する調査結果を発表した。調査は、同社の取材やアンケート調査、各種文献などをもとに同社アナリストが記述・推計している。
10代以上のインターネットユーザー4409人に電子書籍ストアの利用有無を尋ねたところ、「過去1年以内に電子書籍ストアを利用したことがある」と回答した人は、無料コンテンツのみの利用も含めて23.3%と、インターネットユーザーの4人に1人以下となった。
ストアごとの利用率は「楽天kobo電子書籍ストア」が全体の6.6%で最も高く、次点の「Kindleストア」の6.5%をわずかに上回った。そのほかのストアの利用率は2~3%前後だが、前年度の1~2%と比較すると増加している。年齢層別では、全体的に10代、20代の若年層の利用率が高いが、楽天kobo電子書籍ストアとKindleストアはシニア層も比較的高い。特に、Kindleストアは利用者に占める60代以上の割合が20.4%と、他ストア平均のほぼ2倍という。
電子書籍閲覧端末の出荷台数は、7インチタブレットのラインナップが整ったこと、Windowsタブレットの増加、NTTドコモによるiPad取り扱い開始などがプラス要因となり、2013年度で780万台(前年比1.4倍)となった。一方で、Kindleなどの電子書籍専用端末の構成比は8.7%(68万台)と、タブレット端末と比べて存在感が薄いとしている。
今後は、2016年度で1285万台(2011年度比4.3倍)に達する見込み。出荷台数には含まれていないが、スマートフォンの大画面化により、スマートフォンで電子書籍コンテンツを読むユーザーも増加傾向にあるという。
電子書籍コンテンツ市場は2013年度が963億円と推計しており、1年前時点での市場規模予測の1010億円を下回った。フィーチャーフォン向けの電子書籍市場の縮小が想定よりも早かったことが要因としているが、タブレット端末の普及ペースが早く、2014年度以降は拡大すると予想している。
2014年度は1160億円(2011年度比1.7倍)、2017年度には2000億円(同3倍)に達するとみており、コミックに比べて普及が遅れている小説などの活字本の普及が鍵となるとしている。