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ワシントンポスト紙、Amazon Fire端末に限り6カ月間無料配信、全文が読める

 米国の主要新聞の1つ「The Washington Post」は20日、Amazon Fireタブレット端末利用者に対して、新アプリを6カ月間無料で独占提供すると発表した。

 Washington Postは過去に60人のピューリッツァー賞受賞者を排出した米国の有力新聞として知られる。2013年8月に、米Amazon.comのCEOであるジェフ・ベゾス氏が2億5000万ドルで買収した。これは同氏の個人的な買収ではあるが、新聞の経営戦略や米Amazon.comとの関連で注目が集まっていた。

 新アプリは、Amazonのタブレット端末「Fire HDX」「Fire HD」「Kindle Fire HD」を対象に、OTAソフトウェアアップデートの一部として無料で提供される。不要な場合は簡単に削除できるとしている。

 アプリからは、6カ月間、Washington Postの全文を無料で読むことができ、この期間内の購読料金は発生しない。それ以降の購読料金については発表されていない。

 Washington Postは通常、ウェブ版は年間99ドル、タブレット版アプリを含むプレミアム版が年間149ドルで提供されている。

「The Washington Post」アプリ紹介ページ(Amazon.co.jp)

 Washington Postの編集人兼CEOであるフレッド・ライアン氏は「これまで以上に拡大する米国内および世界の視聴者に向けてサービスを提供する我々にとって一歩前進したことになる」とコメントし、世界的な読者を念頭に置いていることを明らかにした。

 アプリでは紙面をめくるかのようにスワイプして大まかな記事の並びを見た上で、記事の文章、写真、動画をじっくり視聴できるように工夫されている。

 また、タブレット端末利用者に向けて開発されているため、毎日、米国東部時間5時(日本時間19時)と17時(日本時間翌7時)の2回配信される。その間にニュース速報や続報が追記されていくとしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)