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6秒動画の「Vine」、日本のユーザーが3カ月で3倍増の謎、実態調査のためにVineチームが初来日
(2015/2/25 06:00)
6秒のループ動画を投稿できる「Vine」のサービス開始から丸2年。Jason Toff氏が率いるVineチームが初来日し、東京都内にあるTwitter Japan株式会社オフィスで記者会見を実施した。
Vineは米Twitter傘下のスタートアップで、2013年1月からサービスをスタート。ニューヨークのオフィスを中心に34人が働いているという。また、Vineの特徴として「Fast」「Easy」「Fun」の3つを挙げており、アプリを開いてすぐに動画を再生して楽しめるほか、エンターテインメント性のある動画でユーザーが楽しめることを重要視している。
現在、1日の動画ループ数は15億回で、1カ月のアクティブユーザー数は1億人に達しているという。この数字には、スマートフォンアプリのほかに、ウェブ全体での視聴数が含まれている。
日本においてはここ3カ月間でユーザー数が3倍に増加しており、Vineチームにとって最もエキサイティングな市場と映ったようだ。海外への市場展開に向けてまず初めに訪れたのが日本となる。来日の目的は、Vineを利用してユーザーがどのような活動を行っているのか、どのような使い方をしているのか調べ、プラットフォームに反映させるためだ。
なお、Vine側でもここまで日本のユーザー数が伸びた原因は分からないとしているが、日本でVineが利用される要因として、スマートフォン普及率が高いことと、高速通信できるモバイルネットワーク網が綿密に整備されている点を挙げ、スマートフォンユーザーの多さや利用頻度の高さが影響しているのではないかと述べた。
Vineと他のSNSサービスとの違いは「エンタメ」と「EverGreen」
質疑応答では、Twitterや他のSNSサービスとの競合についていくつか質問が出た。Twitterが開始した30秒の動画サービスとの関係については、Twitterではイベントや天気といったリアルタイムな話題が中心で、テキストや画像などのさまざまなメディアを含んでいる。これに対してVineでは、正方形の6秒ループ動画のみという制限を生かしたストーリーのあるエンターテインメント作品が中心。
そのため、Vine上のコンテンツはどのタイミングで視聴しても面白く“EverGreen”(いつ見ても新鮮)であるという。また、Instagramなど日常の出来事を友人と共有するSNSとはバッティングしないという。
Vineをきっかけに有名になったユーザーをサポートする体制も整えていく予定。生のイベントとVineのスターを組み合わせるイベントなどを開催しているという。また、内部に5人から構成されるキュレーターチームを持っており、さまざまなジャンルのユーザーからポテンシャルを持つコンテンツを発掘し、フォーカスを当てている。
Vine上でクリエイターが作品を作り続けてくれる環境づくりも模索しており、Vineのために労力を割いて動画を作ってくれている人々のために、謙虚にサポートすると述べた。なお、Toff氏は以前、YouTubeに勤めており、素晴らしい試みや課題もナレッジとして持っているという。
また、今のところマネタイズなどの具体的な発表の予定はなく、Twitterの強力なサポートの下、クリエイターの満足度を高めるため、Vineという製品を素晴らしいサービスにすることに尽力していくとしている。