楽天、欧州での事業を本格始動、仏ECサイト大手「PriceMinister」買収


 楽天株式会社は17日、ECサイトなどを運営するフランスのPriceMinister S.A.を子会社化すると発表した。

 PriceMinisterは、2000年設立。フランス、英国、スペインでEC事業を展開するほか、旅行価格比較サイトや不動産情報サイトも運営している。企業店舗が約2万1000店、個人出品者が約10万人参加するBtoC/CtoCのECサイト「Priceminister.com」は、会員数が約1200万人に上る。サイト訪問者数は月間1100万人で、フランス国内では第1位だという。

 楽天は、2008年にルクセンブルクに設立した子会社の楽天ヨーロッパ S.a.r.l.を通じ、PriceMinisterの全株式を約2億ユーロで取得する。

 楽天は、アジアではすでに台湾やタイでEC事業を開始、中国でもBaiduとの合弁会社を設立し、ショッピングモールサイト「楽酷天」を今年後半に開始する予定。さらにインドネシアでも合弁会社を設立することを発表しているほか、米Buy.comの子会社化により米国に進出することも明らかにしている。

 楽天では、「日本、アジア、米国、欧州にまたがるネットワークを活用し、商品の相互供給などを通じて、世界規模でのEC事業を一層拡大・発展させていく」とコメントしている。

 楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、2010年末までに10カ国へ進出する目標を掲げており、今回のフランスが6カ国めとなる。


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(永沢 茂)

2010/6/17 18:25