偽ウイルス対策ソフトは「儲かるビジネス」、10カ月で228万5629種が出現


 Panda Securityのマルウェア対策研究所であるPandaLabsは15日、偽ウイルス対策ソフト(Rogueware)についての統計データを発表した。今年1月から10月までの10カ月間で200万種以上が出現しているなど、急増を警告している。

 PandaLabsによると、偽ウイルス対策ソフトは4年前に初めて報告され、2008年以降に急増した。Panda Securityではこれまでに565万1786種を検出しているが、そのうちの約40%にあたる228万5629種が、2010年に入ってから作成されたものになる。

 また、Panda Securityが過去21年間で検出した全マルウェアのうち、じつに11.6%が偽ウイルス対策ソフトに該当するという。偽ウイルス対策ソフトが出現したのが4年前だったことを考えると、「驚異的な数字」と指摘している。

 急増の背景として、PandaLabsでは、偽ウイルス対策ソフトは「儲かるビジネス」であることを挙げている。偽ウイルス対策ソフトの作成者は、偽ライセンスの販売利益や、被害者のクレジットカード情報を入手することで、1カ月に3400万ドルの利益を得ているとしている。

 偽ウイルス対策ソフトに感染すると、PC内にウイルスなどの脅威が見つかったとするうその警告画面が表示され、これらの脅威を削除するために有料ライセンスを購入するよう促される。これにだまされてクレジットカード情報を入力すると代金がだましとられるほか、そのカード情報を悪用されてしまったり、ブラックマーケットでカード情報を売り飛ばされるなどの被害に遭うことになる。

 PandaLabsが集計した偽ウイルス対策ソフト感染被害における上位種および比率は、「SystemGuard2009」が12.51%、「MSAntiSpyware2009」が11.67% 「MalwareDoctor」が8.14%、「AntimalwareDoctor」が7.21%、「AntivirusPro2010」が4.57%、「SecurityMasterAV」が3.62%、「Adware/SecurityTool」が3.38%、「ISecurity2010が2.81%、「SecurityEssentials2010」が2.39%。


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(永沢 茂)

2010/11/16 17:00