MIT、eラーニングの修了証明書発行を計画、新イニシアチブ「MITx」発表


 マサチューセッツ工科大学(MIT)は19日、新しいeラーニングイニシアチブ「MITx」を発表した。

 MITxでは、オープンソースによるeラーニングソフトウェアインフラを開発・公開し、一部科目については修了証明書を発行する。これによりMITのキャンパス教育を補完・強化するとともに、eラーニング自体の開発・研究を行い、「高品質で、手軽で、アクセスしやすい」教育の未来に寄与したい考えだ。

 MITxは、MIT内部のコード名で、Provost L.Rafael Reif教授が監督を行う。

 MITxでは、双方向性を重んじ、インターネット上のバーチャル実験室を提供するほか、学生同士のコミュニケーションを図れるようにする。ソフトウェア基盤はスケーラブルでかつオープンソースであり、他の教育機関が自由に利用できるようにしたい考えだ。実験的なプロトタイプバージョンは2012年春ごろに公開予定となっている。

 MITでは、すでに2100以上の講義内容を「OpenCourseWare」を通して無料で提供している。この試みを通して、インターネットチューター、バーチャル実験室、講義グレーディングのクラウドソーシング、機械学習と自動的な文字起こし技術などを実践的に開発・利用してきた。

 さらにMITの教授陣は、さまざまなインターネットツールをキャンパス内の教育ですでに利用している。これらを組み合わせ、開発を進めることにより、最高レベルのeラーニング環境を構築し、最終的にMITキャンパス外の学習者からなる数百万人規模のバーチャルコミュニティを形成することを目指している。

 このeラーニングからは、MITの学生も恩恵を受けることができる。インターネットで自習できるほか、教授陣は、採点などの単純作業の時間を減らし、教育方法を開発したり、キャンパス内の学生と過ごす時間を増やしたりするために時間を有効利用できるとしている。

 MITxではいくつかの講義も提供する予定だ。入学試験などはなく、その科目をマスターしたことが実証できた学生に対し、修了証明書を比較的安い費用で発行する計画だ。ただし、この証明書はMITの学位に代わるものではなく、MITが発行したという誤解を避けるために、別名の非営利団体名から発行される。

 なお、OpenCourseWareはこれまで通り継続される。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/12/20 10:50