オンラインストレージサービス「Google Drive」ついに登場、無料で5GB

Gmail、Google Docs、Google+と統合


 米Googleは24日、オンラインストレージサービス「Google Drive」を公開した。

 すでに一部のアカウントから利用可能になっており、数週間以内には全アカウントで使えるようになるという。ユーザーインターフェイスも日本語化されている。ブラウザーから利用できるほか、Windows 7/Vista/XP、Mac OS X 10.7/10.6に対応したデスクトップアプリケーションと、Android 2.1以上に対応したアプリも公開されている。iPhone/iPad版アプリは近々公開するとしているが、モバイルブラウザーからでも利用可能だ。なお、Linuxには対応していない。また、Mac版は英語版のみ提供されている。

 ストレージ容量は5GBが無料。追加容量は25GB(月額2.49ドル)、100GB(同4.99ドル)、1TB(同49.99ドル)など、月額契約で購入できる9つのプランを提供しており、最大16TB(同799.99ドル)まで拡張できる。

 Gmail、Google Docs、Google+と統合されているほか、開発者向けにGoogle Drive SDKも公開されており、これを使ってサードパーティがGoogle Drive対応アプリケーションを開発できる。対応アプリがChrome Web Storeにてすでに公開されている。

 また、今回の発表に併せて、Gmailのストレージ容量が現在の7.5GBから10GBに増加したことも発表された。Google Driveの容量を追加購入した場合、Gmailの容量もそれに合わせて増加する。

 Google Driveのデスクトップクライアントは、見かけ上はDropboxとよく似ている。インストールするとGoogle Driveフォルダーが追加され、そこにあるファイルが同期される。インターフェイスに共通点は多く、同期ファイルには緑色のチェックマークが表示される。

閲覧可能なファイルフォーマットは30種類以上、OCRによる文字認識・検索も

 Google Driveに特徴的なのは、ストレージだけでなく、コラボレーションや共有ができることだ。

 Google Docsドキュメントはその場で編集でき、共有を許可したユーザーと共同編集を行うこともできる。また、ファイル共有時に、相手に許可する操作を表示・編集・コメントの書き込みといったレベルで設定できる。フォルダーごとに公開・共有することも可能だ。

 特にGmail、Google Docs、Google+と連携するということで、Google Drive中のファイルは「添付」する必要がなくなる。単にリンクを送信するだけで、相手のGoogle Driveに最新版ファイルが反映される。Google+での共有も同様だ。

 Google Drive中のファイルをその場で表示できるのも便利だ。これに対応しているファイルフォーマットは、Officeだけでなく、Adobe Illustrator、Photoshop、PostScript、Apple Pages、ZIP、RAR、画像はJPEG、PNG、GIF、TIFF、BMPに、動画ではWMV、FLV、AVI、MPEG4、3GPP、MOV、MPEGPSに対応し、ブラウザーでその場で開くことができる。その際、対応アプリケーションをインストールしている必要がない。もちろんGoogle Docsが対応しているドキュメントは編集も可能だ。

 Googleらしく、検索機能も利用できる。通常のキーワード、ファイルタイプ、所有者などによる検索やフィルタリングに加えて、スキャンされたドキュメントはOCR技術によってテキストを認識・検索可能だ。また、Googleの画像認識技術によって、写真中の建物や景色から検索もできる。なお、この技術に関しては現在、初期段階にあり、今後改良を続けていくという。

 バージョン管理機能も利用できる。全ファイルの変更内容が記録されているため、30日以内であれば古いバージョンを表示できる。また、ファイルを選択しておけば、そのファイルに限り永久に古いバージョンを保存しておくことも可能だ。

 Google Driveは、6年以上前からその計画が知られていた。Google社内から漏えい、あるいはリークされたと思われる社内文書が報道されていたからだ。オンラインストレージサービスが乱立する中で、今回、ついに提供されるようになったことになる。

 この分野では、DropboxやSugarSyncなどのベンチャー企業のほか、昨日にはMicrosoftがSkyDriveの大幅な機能強化を発表したばかり。Google Driveの無料容量は5GBであるのに対し、SkyDriveは7GBで、その上、既存のSkyDriveユーザーには25GBを提供しているため、Google Driveが必ずしもトップランナーではない。一方でGoogleの既存サービスとの連携はユーザーにとって大きな利点となる。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/4/25 11:10