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海賊版Windowsの使用で男性逮捕、仮想サーバー1750台でプロキシー提供

 警視庁サイバー犯罪対策課などが23日、海賊版の「Microsoft Windows Server 2003」を業務使用していた中国籍の男性(34歳)を著作権法違反の疑いで逮捕した。一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)が同日、発表した。

 この男性はサーバー運営会社の経営者で、会社が所有するサーバーに海賊版のWindows Server 2003をインストールして権利者に無断で複製。海賊版であると知りながら、2012年11月末から約1カ月にわたって業務で使用していたとして、複製権侵害と海賊版業務使用(みなし侵害)の疑いが持たれている。

 コンピューターソフトウェアの所有者が、それを使用するためにPCにインストールするなどの複製行為は認められている。また、個人的な用途であれば、たとえ海賊版だったとしても、私的使用のための複製の範囲になるという。一方、「業務上電子計算機」でこうしたことは認められておらず、入手時に海賊版と認識していた場合には、海賊版を使用する行為自体も著作権侵害とみなされる。

 ACCSによると、この男性は今年2月に不正アクセス禁止法違反により逮捕・起訴されており、その捜査の過程で海賊版ソフトの業務使用などが発覚、今回の著作権法違反での摘発に至った。男性は海賊版から複製したWindows Server 2003を約1750台相当の仮想サーバーにインストール。また、このWindows Server 2003は中国版であり、それらのサーバーは主として海外からの中継サーバーとして提供され、不正アクセスや不正送金などの犯罪行為にも利用されていたという。

【お詫びと訂正 23:40】
 記事初出時、男性が海賊版のWindows Server 2003を業務使用していた時期を「昨年11月末から」としておりましたが、正しくは「2012年11月末から」です。お詫びして訂正いたします。

(永沢 茂)