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シャープ、デバイスフリーで電子書籍が読めるブラウザビューア「EBLIEVA」
ストア事業者向けに提供
(2014/6/30 17:02)
シャープは、Webブラウザで電子書籍の閲覧が可能な「ブラウザビューア」の法人向けプランを拡大、ネットワーク経由でアプリケーションを提供するASP型サービス「EBLIEVA ブラウザビューアASP」を開始する。電子書籍の取次事業者と連携して、出版社やストア事業者にサービス提供を行う。
シャープはこれまで、フィーチャーフォン向け標準ビューアから、2010年以降はスマートデバイス向けにGALAPAGOS STOREを展開、Android・iOS・Windowsなど広くサポートしている。さらに2013年からはEPUB3形式に対応し、採用企業がストア内でEPUB対応を可能にしてきた。2014年3月からは「ブラウザビューア」を電子書籍事業者向けにカスタマイズしたパッケージとして提供。加えて、今回新たに提供する「EBLIEVA ブラウザビューアASP」は、同社のコンテンツ配信サーバーをネットワーク経由で利用できるため、初期投資を抑えられ、より手軽に導入できるメリットを提供する。
EBLIEVA ブラウザビューアASPの対応フォーマットは、EPUB3(リフロー型、フィックス型)、XMDF、PDF、JPEG、OMF。ブラウザビューアの動作環境としては、WindowsパソコンはIE(9.0以上)/Firefox/Chrome、MacはSafari/Firefox/Chrome、iPad/iPhone/iPod touchはSafari/Chrome、Android端末ではChromeと標準搭載のブラウザをサポートしている。
採用企業は配信コンテンツ量に応じて選べる3つのプラン「エントリーコース」、「スタンダードコース」、「プレミアムコース」の中からベースを選択し、それぞれサービスサイトとの連携や、読み放題プランなどと組み合わせてサービスを構築できる。同社が築いてきた、日本語レイアウト表示技術、高速技術、ビューアUI技術、データ変換技術などが、EPUB3とHTML5に活かされている。
電子書籍を閲覧する場合、これまでは専用アプリが用意され、ためし読みの際にもアプリを立ち上げる必要があったが、それらが不要になることでデバイスフリーを実現する。シャープデジタル情報家電事業本部モバイルソリューション事業部の辰巳剛司氏は、電子書籍を取り巻く環境における課題について説明した。「ユーザーにとっては気軽に試し読みをしたいが、アプリのダウンロードが面倒であったり、わかりづらかったり、手順が多かったりといったハードルがある」という。また、ストア事業者にとっても、OSごとのアプリ開発やアップデートのメンテナンスに手間がかかり、参入しにくいといった現状があるとした。それらを解決するべく「デバイスフリーでダイレクトに繋がるプラットフォームを提供することで、活性化していくべきだ」という考えを述べた。
また、同社デジタル情報家電事業本部モバイルソリューション事業部の松本融氏は、今回提供するサービスにおいて、「当社の技術でプラットフォームを用意することはできた。これからは事業者様とアイデアを共有することで市場を拡大できるサービスになる。たとえば学習系コンテンツの中にビューアを組み込み、そのまま動画コンテンツも見ることができるなど、Webサービスに組み込むことで価値が出せる」とコメントした。
辰巳氏は「ブラウザビューアとしては後発ではあるが、技術とこれまで築いた企業様とのつながりを強みに、多様なニーズに応えていく」と語った。同社では、ブラウザビューアの分野でトップシェアを目指すとした。