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中国のインターネット利用者は6億4875万人、スマホでのEC利用増加が顕著に

 中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)は4日、2014年末における中国のインターネット利用状況をまとめた「第35次中国互換網発展状況統計報告」を発表した。

 中国における2014年末時点のインターネット利用者は6億4875万人で、1年間で3117万人、半年間で1675万人増加した。増加のペースは2013年以降、鈍化している。総人口に対するインターネット利用者の割合は47.9%。

インターネット利用者数の推移
年齢層分布
収入別分布

 利用者のうち72.5%が都市部の利用者で、27.5%が農村部。インターネット利用者率は、都市部では62.8%(北京や上海では7割強)、農村部では28.8%。都市部における無線LANルーター導入率は81.1%。

都市部・農村部のインターネット利用率の推移

 スマートフォンなどモバイルインターネットの利用者は5億5678万人。1年間で5672万人、半年間で2948万人増加した。スマートフォンの出荷台数はうなぎ上りで、2014年は年間4億台超を記録したが、それに比例してモバイルインターネット利用者が増えているわけではないようだ。

スマートフォンなどモバイルインターネット利用者数の推移

 インターネットを利用する場所は、家庭内が90.7%、企業が31.1%、ネットカフェが18.1%、公共施設が18.0%、学校が14.2%。

 インターネットデバイスは、携帯電話・スマートフォンが85.8%、デスクトップPCが70.8%、ノートPCが43.2%、タブレットが34.8%、テレビが15.6%。タブレットは高収入・高学歴者が利用する傾向がある。

 新規のインターネット利用者が導入したデバイスは、携帯電話・スマートフォンが64.1%、デスクトップPCが51.6%、ノートPCが13.2%となっている。昨年のデータではデスクトップPCは28.7%であり、今年は51.6%となっていることから、新規インターネット利用者のパソコン離れは起きてはいないようだ。

 企業でのパソコン導入率は、7人以下の小企業で81.5%、20人以上の企業で90%超。インターネット利用率は、7人以下の小企業で66.4%、50人以上の企業で8割強。

 この5年間のインターネット利用時間の傾向としては、モバイルインターネットの普及に比例して2013年以降、利用時間は長くなっている。2014年における1週間の平均インターネット利用時間は26.1時間。学歴が高いほどインターネット依存率は高く、短大・大卒では6割以上が「インターネットに依存している」と回答した。インターネット上でコメントの書き込みをする割合は、10代で最も高く50.2%、20代で46.6%、30代で40.9%とだんだん低くなり、60代で36.4%だった。

インターネットの利用時間の推移

 インターネットの利用用途を多い順から挙げると、「チャット」(5億8776万人、利用率は90.6%)で約9割が利用。次いで「情報検索」(5億2223万人、同80.5%)、「ニュース」(5億1894万人、同80.0%)が約8割。続いて「音楽視聴」(4億7807万人、同73.7%)、「動画視聴」(4億3298万人、同66.7%)の利用率が高い。

 以下、半数前後の利用率だったのが、「オンラインゲーム」(3億6585万人、同56.4%)、「オンラインショッピング」(3億6142万人、同55.7%)、「オンラインペイメント」(3億431万人、同46.9%)、「ネット小説」(2億9385万人、同45.3%)、「オンラインバンキング」(2億8214万人、同43.5%)。

 3割台の利用率が、「メール」(2億5178万人、同38.8%)、「微博・マイクロブログ」(2億4884万人、同38.4%)、「オンライン旅行予約」(2億2173万人、同34.2%)。それ以下は「クーポンサイト」(1億7267万人、同26.6%)、「掲示板・BBS」(1億2908万人、同19.9%)。

 目立って増加したのが、オンラインショッピングとそれに伴う支払いサービスであるオンラインペイメント、それにオンライン旅行予約やクーポンサイトだ。マスのレベルで、エンターテインメントのためのネットからECのためのネットにもなりつつある。かつて影響力があった微博・マイクロブログは前年比で3000万人以上減少した。

 モバイルインターネットの利用用途においては、3G/4Gの普及から、その多くが前年比2けた以上の成長を見せた。

 最も多かったのが「チャット」(5億762万人、利用率は91.2%)で、以下、「情報検索」(4億2914万人、同77.1%)、「ニュース」(4億1539万人、同74.6%)、「音楽視聴」(3億6642万人、同65.8%)、「動画視聴」(3億1280万人、同56.2%)で半数以上が利用。いずれも2けたの伸びを見せた。

 利用率が5割以下のサービスは、「オンラインゲーム」(2億4823万人、同44.6%)、「オンラインショッピング」(2億3609万人、同42.4%)、「ネット小説」(2億2626万人、同40.6%)、「オンラインペイメント」(2億1739万人、同39.0%)、「オンラインバンキング」(1億9813万人、同35.6%)、「微博」(1億7083万、同30.7%)、「メール」(1億4040万人、同25.2%)、「オンライン旅行予約」(1億3422万人、同24.1%)、「クーポンサイト」(1億1872万人、同21.3%)、「BBS」(7571万人、同13.6%)。

 やはりEC関連で著しい普及が見られた一方で、微博の利用者減少が見られた。動画視聴の利用に関しては、今回の調査でモバイル経由の視聴者がPC経由の視聴者を上回った。

動画サイトのモバイルでの利用率がパソコンでの利用率を上回る

 「インターネットの情報は信用できるか」という質問に対して「信用できる」という回答は、2007年は35.1%だったが、2014年には54.5%と20ポイント近く増加した。

その他の主な統計

ウェブサイト数の推移(単位は万ページ)
ウェブページ数の推移(単位は億ページ)
IPv6アドレス数の推移
海外バックボーンの総容量の推移

(山谷 剛史)