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ちょっとの工夫で「再配達」は減らせる! 知ってますか、宅配便会社の受取サポート便利サービス

再配達を減らすために、通販利用者ができることって?

 ネット通販って、ほッんとーに便利ですよね。 本、DVD、服、日用品、そして食品と、あらゆるものを自宅にいながら注文し、受け取れる。雨が降ってくるか、自転車の荷台に載せきれるか、そんな心配も無用。実に便利な時代になりました。

 ただ、あまりにも気軽に注文できるため、荷物の総量が社会全体で増加。人手不足、配達員さんの労働環境問題などが噴出する事態に……。2017年初頭あたりから一般のニュース番組などでも取り上げられ、今や社会問題レベルです。

 配達員さんの負担を押し上げる要因とされているのが「再配達」です。本来1回で済むはずの配達先訪問が2回になってしまう。当然、非効率です。ただ、受取側からすると、再配達になったからといって手数料を取られるわけでもなく、「ま、いっか」という軽い気持ちで再配達をお願いしているのが実情でしょう。

 「配達予定日に不在にしない」。こうすれば再配達は100%防げます。ただ、そうはいっても我々も人の子。配達直前になって急に予定が入ったりもします。そんなときにどんな対応ができるのか。配達員さんの手間を少しでも減らすため、運送会社の「受取サポート」系サービスを使ってみてはどうでしょうか。

配送中の荷物でも受取希望日時を変更できる?! 大手3社のウェブサービス

 今回は、通販でお目にかかることの多い運送会社3社――ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便(ゆうパック)のサービスをご紹介します。各社とも「不在お知らせのメール(ないしアプリ通知による)配信」「ウェブからの再配達手続き」などを実現しています。

 これら機能を上手く組み合わせると、例えば自宅に届いた不在通知を仕事場で知り、残業で当日受け取りできなさそうだからウェブで手続きして翌日届けにしてもらう……といったことが可能です。こうすれば「1日に2回も来てくれたのにそれでも受け取れない」という最悪の事態は防げます。

 ただ、これ以上のサービスになると各社でちょっとずつできることが違います。詳しく見てきましょう。

ヤマト運輸 クロネコメンバーズ

https://cmypage.kuronekoyamato.co.jp/

 今回紹介する3社の中で、機能面で明らかに秀でているのがヤマト運輸です。「クロネコID」を取得することで、さまざまな機能を利用できます。このうち、再配達抑止の観点で注目したいのが「お届け予定eメール」です。

 これは「荷物が届く直前になってから、荷物の受け取り日時や場所を途中変更できる」というもの。旅行で数日不在にするのが分かっているのに、間もなく荷物が届く場合などに便利な機能です。

 この機能を使うには、クロネコメンバーズのサイトで「宅急便e-お知らせシリーズ」の設定をあらかじめ有効化しておき、あわせて氏名・住所・電話番号などを登録しておきます。その設定住所と実際の荷物の送り先のデータが合致した場合、メールが届くので、そこから実際の手続きをします。お知らせメールが届くタイミングはケースバイケースですが、おおよそは「ヤマト運輸が荷物を受け付けた日」となるようです。

 指定範囲は極めて柔軟で、日時の変更はもちろん、コンビニ店頭やヤマト運輸の営業所へ届け先を変更することすら可能です(伝票番号だけしかない場合は受取場所変更は不可。あくまでも宅急便e-お知らせシリーズの利用が前提となります)。

「お届け予定eメール」を受信するには、あらかじめ設定が必要です
実際には、こんな感じのメールが来ます

 クロネコメンバーズのアプリもAndroid/iOS向けに提供中。各種通知はアプリで受け取れます。さらに、LINEアプリ上のヤマト運輸公式アカウントでも、アプリとほぼ同様の機能が利用OK。こちらだとLINEのメッセージを送受信する感覚で、配達予定をチェックできます。

「クロネコヤマト公式アプリ」。受取予定の荷物の伝票番号を登録しておき、繰り返し確認することもできます
LINEからヤマト運輸の公式アカウントを登録することでも、受取関係の機能を利用できます

佐川急便 WEBトータルサポート

https://www.e-service.sagawa-exp.co.jp/portal/do/login/show

受取日時を変更するには「WEBトータルサポート」から設定しておきましょう

 佐川急便に用意されているのは「配達予定通知メールサービス」。荷物の配送前に、受取人に対してメールが通知され、中のリンクをクリックすると配達日・配達時間帯などが指定できます。ただし受取場所の途中変更は原則不可。機能の利用にあたってID登録と事前設定が必要な点は、ヤマト運輸とほぼ同じです。

 なお、アプリについては佐川急便も公開していますが、やや機能不足。PCでもスマホでも、ウェブサイトにアクセスしたほうが手っ取り早いです。

実際に届くメールの例

日本郵便(ゆうぱっく) ゆうびんポータル

https://login.post.japanpost.jp/aew/page/portalLogin

ゆうパックの受取を便利にするには「ゆうびんポータル」に登録した上で、さらにLINEの公式アカウントと連携させましょう

 ゆうパック関連の各種サービスを利用する際は、ぜひLINEと連携させましょう。日本郵便のLINE公式アカウント「ぽすくま」と、日本郵便のウェブサイトから取得できる「ゆうびんID」を連携させることで、配達予定日時などを知らせてくれます。

 今のところ予定を知らせてくれるだけで、配達希望時間を急遽変更するなどの機能はないようです。とはいえ、他社の動向を見る限り、いつかは対応してくると思いますが……?

LINEアプリに日本郵便の公式アカウントを登録したところ。受取関係の機能はヤマト運輸・佐川急便に比べるとやや劣ります

まとめ~通販サイト側での受取場所・時間指定も活用しよう

 いかがだったでしょうか? どれも会員制のサービスのため、最初の登録はやや面倒ですし、データ照合の関係で100%すべての荷物で事前通知があるとも限りません。ただ、なんといっても料金は無料。特にヤマト運輸と日本郵便はLINEアプリから各種機能を利用でき、専用アプリを使わずに通知を受け取れるなど、機能面のメリットも多いです。

 一方、今回紹介したサービスは、あくまでも運送会社側のもの。配達にまつわる諸問題を解決するには、通販サイトで注文する段階でも工夫が必要でしょう。1点ごとに細かく注文するのではなく、ちょっと配送が遅くなってもいいからまとめて発送してもらったり、あらかじめ配送日時指定を済ませておくのも1つの手段です。

 より短期的かつ現実的な対策としては「注文時に最初からコンビニ受取を指定する」というのもアリでしょう。例えばAmazonではローソン、ファミリーマート、ミニストップで注文品を受け取れます。

Amazonなら注文時にコンビニ受取を選択可能。一人暮らしの方なら、自宅届けにするより効率的かもしれません

 もちろんコンビニ受取についても、あまり大きなサイズの荷物はダメだったり、今度はコンビニの店員さんの負担が増えてしまうなど、課題はあります。また、通販利用回数自体が減ってしまっては本末転倒。業界全体で、利便性と経済性のバランスを考えていかなければなりません。

 最近は「PUDOステーション」「はこぽす」「楽天BOX」といった24時間対応の宅配ロッカーが駅やスーパーに設置される例が増えるなど、明るい兆しも見えてきました。さしあたっては「配達予定時間にはちゃんと家にいる」「ダメなときは可能な限り配達時間変更をお願いする」の2つを意識しつつ、「再配達」情勢の変化を見守っていきましょう!