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「突然の雨」をどこまで回避できる? 気象情報アプリ3種の雨予報機能をチェック

 7月に突入し、夏の暑さはいよいよ本番。その一方で気になるのが「突然の雨」。スマホ向けには数々の天気予報アプリが公開されており、プッシュ通知での予報配信の機能などもありますが、では、果たして「雨対策」の観点からすると、どれくらいアテにできるのでしょう? 今回は、大手3社のアプリの雨予報機能に迫ってみます。なお、今回はアプリの試用にあたってAndroid版を選択しました。

Yahoo!天気

https://weather.yahoo.co.jp/weather/promo/app/

「Yahoo!天気」アプリのトップ画面
こちらが「雨雲ズームレーダー」
雨雲接近をプッシュ通知するための設定画面

 今回紹介する3つのアプリ中で、コストと機能のバランスが最もとれているのが、こちらの「Yahoo!天気」アプリでしょう。トップ画面右上にある「雨雲」アイコンをタップすると、「雨雲ズームレーダー」が表示されます。これがあれば6時間先までの降水量予測が地図上で一目瞭然。ピンチイン/ピンチアウトでの拡縮、スワイプでのスクロールもOK。時間経過による雨雲の動きを、アニメーションで確認することも可能です。アプリの利用は無料です。

 そして注目したいのが、雨雲接近のプッシュ通知機能。現在地ないし指定の観測地点をあらかじめ1つ選んでおくと、そのエリアに雨雲が近接した際、プッシュで通知が届きます。

 設定方法も柔軟で、夜間は通知しないようにしたり、通知時に音を出すかも選べます。ただ、通知対象を「現在地」とすると、やはりGPS測位の関係か、バッテリー消費が多くなる印象です。「千代田区」「横浜市」などのようにピンポイント指定して通知を受けるのも手でしょう。

tenki.jp

https://play.google.com/store/apps/details?id=jwa.or.jp.tenkijp3
https://itunes.apple.com/jp/app/tenki-jp/id433865746?mt=8

「tenki.jp」アプリ。設定を調整すると、画面下部に「傘指数」を表示できるので、お出かけ前の参考にどうぞ
「豪雨レーダー」の画面。地図は白地図・カラー・写真の3種類から切り換えられます

 こちらは日本気象協会のアプリ。雨の状況を知るには、やはりアプリのトップ画面から呼び出せる「豪雨レーダー」が重宝します。タッチ操作で自在に地図を操作しつつ、雨の降り方予報をカラーチャートで判別できるようになっています。予報が表示されるのは約1時間先まで。

 雨雲に連動したプッシュ通知機能こそありませんが、「傘指数」の表示機能はぜひ活用したいところ。「傘を持たなくても、大丈夫です」「折りたたみ傘が、いいでしょう」というようにアドバイスしてくれるので、朝のお出かけ前にサクッと確認するのが良さそうです。

ウェザーニュースタッチ

https://play.google.com/store/apps/details?id=wni.WeathernewsTouch.jp
https://itunes.apple.com/jp/app//id302955766?mt=8

「ウェザーニュースタッチ」
「雨雲レーダーCh.」の画面。ただし無料版では1タップでの現在地測位に非対応です
有料会員になると「スマートアラーム」機能でプッシュ通知を受けられます

 基本的な情報を無料で提供する一方、有料会員向けにはっきりと機能差をつけているのが特徴です。例えば「雨雲レーダーCh.」では、標準で日本地図全体の雨雲状況をチェックできますが、1タップで現在地周辺をクローズアップするには有料プラン登録が必要です。

 有料プランの料金は月額315円(Android版アプリからの契約時)。契約すると「スマートアラーム」が利用可能になり、現在地に連動した降雨通知などがプッシュ通知されるようになります。また、7月には「ゲリラ雷雨Ch.」での情報提供がスタートする予定です。

まとめ~ゲリラ豪雨級の悪天候に備えるには「雷」「防災」関係のアプリにも注目を

 この3つのアプリを見てお分かりのように、「雨雲レーダー」的な機能は相当普及しています。テレビの天気予報よりもあきらかにピンポイント性・リアルタイム性が高く、実用性も十分。この機能のためにアプリをインストールする価値はあります。ちなみに、プッシュ通知に関しては、タイミングによっては回数が多くなりすぎる場合があるため、アテにしすぎないほうが賢明です。

 ただ、この雨雲レーダーを駆使しても、「ゲリラ豪雨」と呼ばれるような局地的集中豪雨を、その発生前に予報するのはなかなか難しいようです。例えばウェザーニューズでは、ゲリラ豪雨の予測精度向上のために新型レーダーを開発し、2018年春から生産すると発表しています。そのほか、日本の研究機関や大学でもゲリラ豪雨関連の研究は今まさに進められているところです。

 あくまでも筆者の経験則になりますが、傘が役に立たないほどの大雨を避けるためには、雷の予報に注目するのも1つの手段かと思います。特に夏場の夕立は、黒雲が湧き始め、遠くでなる雷の音が分かりやすい前兆としてあります。ただ、窓の少ない会議室だったり、あるいは地下街にいると、その気配に気付けません。

 そこで役立ちそうなのが東京電力の「TEPCO速報」アプリ。もともと停電通知を主眼としていましたが6月のアップデートで「雷雲情報」の提供がスタートしました。「雨雲情報」と一緒に閲覧できるようになっており、指定地域に基づいたプッシュ通知機能も備えています。

 また、ヤフーの「防災速報」アプリは、地震情報や津波予報と並んで豪雨予報に対応。設定地域の降水量予報が一定値を超えたときだけ、プッシュ通知してくれます。通知の条件は20・30・50・80mm/hの4つから選べるので、極めて深刻な時だけ通知を受け取るといったことも可能です。

防災速報(Yahoo! JAPAN)

https://emg.yahoo.co.jp/

ヤフーの「防災速報」アプリでは、地域ごとに各種情報がまとめられています。プッシュ通知も可能です
「TEPCO速報」で雷雲に関する情報を表示したところ

 というわけで、雨の情報を知る手段は、天気予報アプリ以外にも各種あります。ぜひ上手く使い分けていきましょう。