「インターネット白書2009」で見る最新動向(2)

ストリートビュー利用者は4割、「話題だから」が過半数

 インターネットの利用実態について統計データなどをとりまとめた「インターネット白書2009」(監修:財団法人インターネット協会、発行:インプレスR&D、定価:7140円)が6月18日に発売された。INTERNET Watchでは、その内容の一部を3回にわたって紹介する。今回は、個人ユーザーにおけるWeb検索やWebメール、コミュニティなどのWebサービスの利用状況を中心に取り上げる。

 個人ユーザーの利用実態調査は、自宅からインターネットを利用している13歳以上を対象に、gooリサーチで4月17日から23日まで実施。性別や年齢層、1週間あたりのインターネット利用時間別人口構成比などに合うよう条件抽出し、3332人の有効回答を得た。

利用する検索サービス、WebメールともにYahoo!がトップ

利用するWebブラウザ

 利用するOSは、「Windows XP Home Edition」42.3%、「Windows Vista Home Premium/Home Basic」23.9%、「Windows XP Professional」16.2%などが上位だった。2008年と比べ、Windows XP Home Editionは50.7%から減少、Windows Vista Home Premium/Home Basicは13.6%から増加した。

 利用するブラウザは、「Internet Explorer 7以上」58.5%、「Internet Explorer 6.x」15.0%、「Firefox 3」12.0%が上位となった。2008年9月に登場した「Google Chrome」は3.8%。そのほか、「Sleipnir」3.2%、「Opera 9.x」2.7%、「Safari Mac版」2.5%など。メールソフトは、「Outlook Express」が35.2%、「Outlook」が23.3%、「Windowsメール」が9.5%など。

 利用するWebサービスでは、「地図」72.1%、「乗換案内」65.1%、「Webメール」52.5%が多い。Webメールで利用するサービスは、「Yahoo!メール」が80.1%を占める。以下は、「Hotmail/Windows Live Hotmail」が30.1%、「Gmail」が25.4%、「gooメール」が25.2%、「infoseek メール」が12.1%など。その他のポータルやISPが提供するWebメールは2~4%台に並ぶ。

 検索サービスは、「Yahoo! JAPAN」が57.5%、「Google」が32.8%、この2種類で90%を占める。検索結果の満足度は、「非常に満足」が7.6%、「まあ満足」が62.5%で、7割が満足している結果になった。また、「Google」に限ると76%が満足しており、他社サービスに比べて満足度はやや高いという。

利用するWebメール利用する検索サービス

ストリートビュー利用目的、「試しに、話題なので」66.4%

 利用するコミュニティサービスでは、「ブログ」(書き込み27.5%、閲覧のみ24.5%)、「Wikipedia」(同2.2%、同46.1%)が5割、以下は、「掲示板」(同11.7%、同17.8%)、「ユーザー参加型の商品・サービスのレビューサイト、評価サイト」(同7.5%、同19.1%)、「SNS」(同17.4%、同6.1%)が多い。ただし、各サービスとも利用者数に大きな変化は見られないという。

 登録しているSNSは、「mixi」が88.5%で独走し、「モバゲータウン」11.5%、「GREE」11.2%などが続く。「GREE」の利用率は2008年から2ポイント増加しており、「mixi」と他のSNSを併用するユーザーが増えているという。「Twitter」などのマイクロブログの利用率は1.4%にとどまった。利用するマイクロブログでは、「Twitter」35.6%、「mixiエコー」26.7%、「はてなハイク」6.7%など。

 利用する動画投稿サイトは、「YouTube」と「ニコニコ動画」の寡占状態が続いている。閲覧は「YouTube」が99.6%、「ニコニコ動画」が78.1%だが、投稿は「YouTube」が50.0%、「ニコニコ動画」が62.5%だった。写真共有サービスの利用状況では、「すでに利用している」が6.4%、「過去に利用していた」が4.4%で、利用経験は1割にとどまった。

 有料動画の購入経験者(104人)に動画のジャンルを尋ねたところ、「アダルト」が38.5%でトップ。次いで、「映画」37.5%、「アニメーション」26.0%など。なお、2008年は「映画」が32.1%でトップ、「アダルト」は19.6%で4位だった。これについてインプレスR&Dは、「前後10%というのは、統計的な誤差の範囲に入る。昨年と今年で、実はそんなに変わっていないという可能性もある」とした。

 「Google マップ」のストリートビュー機能については、「よく利用する」4.1%、「たまに利用する」13.4%、「試しに利用したことがある」25.1%を合わせると、利用者は4割だった。利用目的は、「試しに、話題だったので」が66.4%、「これから訪問する場所の確認」が34.9%、「過去行ったことがある場所を見る」が25.2%など。

 ストリートビューのプライバシーに対する意識では、「自宅は絶対に掲載してほしくない」が20.7%、「家の中が写っていないなど、条件次第ではよい」が46.2%、「自宅が掲載されても別に気にしない」が28.7%など。特に、一戸建て居住者は「絶対に掲載してほしくない」とする比率が高い傾向が見られた。

ストリートビューの利用目的ストリートビューに対する意識

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(野津 誠)

2009/6/24 11:05