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山谷剛史のマンスリー・チャイナネット事件簿
2009年5月

 本連載では、中国のネット関連ニュース(+α)からいくつかピックアップして、中国在住の筆者が“中国に行ったことのない方にもわかりやすく”をモットーに、中国のインターネットにまつわるニュースやトレンドを、政府が絡む堅い話から三面記事まで幅広くレポートしていきます。


2008年の中国eコマース市場規模は43兆円。政府主導でさらに拡大へ

 中国政府商務部の担当者は、eコマースと物流に関するフォーラムの中で、昨年の中国のeコマースが市場規模が、前年同期比で43%増となる3兆1000億元(約43兆5000億円)となったことを発表した。

 ちなみに物流市場も、中国においてもeコマースとは切っても切れない市場で、eコマースと無縁の物流企業の84.2%が金融危機の悪影響を受けている一方で、eコマースと無縁でない物流企業については、16.8%しか金融危機の悪影響を受けていないという。

 同月、中国のリサーチ会社「iResearch」は、昨年のモバイルeコマースの市場規模が6億4000万元(90億円弱)と発表。同社は3Gケータイが本格普及する今年より、急激に中国モバイルeコマースの市場規模が拡大すると予測、その市場規模は2010年には18億元(250億円強)、2011年に46億元(650億円弱)、2012年には108億元(1500億円強)になると予想している。

 中国政府はeコマース市場拡大を後押し。浙江省、江蘇省、広東省、福建省のモノ作りの盛んな東南部4省では、B2Bサイトの雄「阿里巴巴(アリババ)」と提携し、現地の中小企業にアプローチをかけeコマース参加を推進している。


杭州市でブログ記事や掲示板の書込みなどに実名制を実施

 上海に近い浙江省杭州市では、「ブログ記事や掲示板の書き込みやオンラインゲームの利用する際に、身分証明書を提示しなければならない」という条例、「杭州市計算機信息網絡安全保護管理条例」を発表、5月1日から施行された。

 中央政府もここまで踏み込んだ法規制は発表していないため、この新条例は、杭州はもちろんのこと、適用外の杭州以外でも話題に。施行後約1カ月経過した5月末時点においても、その是非がWebニュースサイトで議論されている。

 新華網杭州支局の記者は、5月23日にサイト「杭州網(杭州ネット)」の掲示板に書き込みを試してみた結果、書き込むために身分証明を必要としていない実情を紹介。この新しい条例については、実際に施行が難しいことを指摘している。


チャイナユニコム、3Gブランドのドメイン名取得に10万元

 中国にある3社のモバイルキャリアのうちの1社「中国聯通(チャイナユニコム)」は、中国全土の大都市でW-CDMAサービスを開始した。

 中国聯通(チャイナユニコム)は、W-CDMAサービス開始に合わせ、サービスの愛称「WO」を用いたドメイン「wo.com.cn」を、元のドメイン所有者から10万元(約140万円)で購入していたことが報道された。このニュースを紹介したメディアは、10万元というドメイン購入価格を「高くない買い物」と評している。


百度、正規版音楽配信サービスの開始を示唆

 グーグル中国は、中国で初の著作権をクリアした正規の無料音楽配信サービスを3月30日に開始した。これを受けて、音楽検索サービスなどで利用者を伸ばしてきた百度も、対抗する無料正規版音楽配信サービスを近いうちに開始する見通しだと報道された。

 百度CEOの李彦宏氏は、中国メディアの取材に「広告収入により正規版音楽を無料配信したい」とコメント。また、グーグルに対抗した新音楽配信サービスについては「試験中」であると回答した。


「.中国」ドメイン、中国国内ではほぼ利用可能に

 2008年7月にICANNの決議で利用可能となった「.中国」ドメインのサイトを、中国インターネット利用者の8割以上が利用できる状況になったと、CNNIC(China Internet Network Information Center)は発表した。テストは中国国内で行ったが、外国からのアクセスに対しては、アクセスできるかどうかは不明、とコメントしている。

 すでにInternet Explorer、Firefox、Opera、Google Chrome、Safariなどの主要なブラウザソフトで利用可能であり、9割以上の政府関連サイト、著名ポータルサイト、大学が「.中国」のドメインを活用しているという。また中国国内の有力企業の半数が同ドメインを利用しているという。

 グーグル中国も、以前はインターネット利用者の英語力を考え「g.cn」という世界最短のドメイン名を得て、中国市場にアピールした。今後学歴のない農村戸籍の若者や、中高年の人々がインターネットを利用し始めるので、日本人の想像以上に母国語ドメインが活躍しそうだ。


IE8、簡体字中文版で淘宝網(Taobao)の検索窓導入

 1200億元規模(1兆7000億円弱、2008年)の中国オンラインショッピング市場のほとんどを独占する、中国最大のオンラインショッピングサイトが淘宝網(Taobao)だ。その淘宝網の商品が、Internet Exploler 8の検索窓から検索可能になった。これはマイクロソフト中国と淘宝網の提携により誕生した中文版の独自機能だ。

 中国におけるブラウザ競争では、中国でのPC普及の立役者とキラーソフトのチャットソフト「QQ」をリリースした「騰訊(tencent)」によるタブブラウザ「TT(TencentTraveler)」が人気で、それを追って様々な安定性を売りにしたタブブラウザがリリースされている。1億人を超えると言われる淘宝網と提携することで、中国でIEのシェアを回復できるか。

 淘宝網をライバル視する、去年から立ち上がった百度のオンラインショッピングサイト「百度有〓(〓は口へんに阿)」は今月、Facebookとよく似たデザインで知られる人気のSNSサイト「校内網」と提携。SNS利用者を取り込もうとしている。


1億5100万人が動画共有サイトを利用、利用者数トップはYOUKU(優酷網)

 中国のリサーチ会社「易観国際(Analysys International)」は、2009年第1四半期の動画サイト利用者数を発表した。それによれば、動画共有サイト利用者数は前期比7.1%増となる1億5100万人、動画サイトの利用者数は1億8700万人となった。

 サイト別利用者数ではYOUKU(優酷網)が1億3400万人でトップ、以下「土豆網」の1億1040万人、「酷6網」の8700万人と続いた。このうちYOUKU(優酷網)と土豆網は動画視聴ができない状態となっている。

 YouTubeは3月末より遮断され、5月末現在も遮断された状態のままだが、こうした動画共有サイトの利用者数の統計では、もともとYouTubeは含まれない傾向があった。第2四半期以降は、中国国内からのYouTube利用者は実質ゼロになるだろう。


中国随一の人気のメールプロバイダーが英語対応

 無料から有料までさまざまなメールサービスを提供し、3億以上のアクティブユーザーを抱える「網易(NetEase)」が、英語版の企業向けメールサービスの提供を始めた。在中国の外国企業や外国人留学生は多いが、そういった人々を取り込むことができるか。

 ちなみに網易(NetEase)は、ポータルサイトとしても有名だが、こちらについては2009年第1四半期の広告収入が前期比63%減、前年同期比47%減の4100万元と厳しい結果となった。


乱立する激似のSNSサイト、初の訴訟に

 本連載でも、2008年10月のニュースとしてご紹介したように、中国では、Facebookと見た目がそっくりなSNSサイトが乱立している。そんな中国において、ついにというか、そっくりなSNSサイトを訴える裁判が始まることになった。

 今回提訴したのは、SNSサイト「開心網」。一方、被告側も「開心網」と名乗るSNSサイトだ。真似された「開心網」側は、「サイトデザインやサービスだけでなく、ドメイン名とサイト名までもそっくりなため、提訴に踏み切った」という。裁判所の北京市第二中級人民法院はこの提訴を受理。横行する模倣SNSサイトに、はじめて法的判断が下されることになる。

オンラインショッピング人気ナンバーワンはデジタル家電

 中国のリサーチ会社「易観国際(Analysys International)」は、オンラインショッピング利用者の利用実態に関するレポートを発表した。

 レポートによれば、オンラインショッピング利用者がここ1年で買った製品ジャンルは、最も多い回答から順に「デジタル家電(46.9%)」「書籍CDDVD(45.9%)」「カバン、財布(40.8%)」「PC・周辺機器(34.1%)」。

 6位以降は、「化粧品(29.7%)」「女性用ファッション(29.3%)」「ケータイ(27.7%)」「男性用ファッション(24.6%)」と続く。その他、「家具・インテリア」は19.6%、「食品」は16.5%、「文具」は14.6%であった。

 同社の別の調査結果によれば、2009年第1四半期のC2Cオンラインショッピング市場規模は、440億7100万元(約6200億円)、B2Cオンラインショッピング市場は34億9600万元(約475億円)となっている。


関連記事
  山谷剛史の海外レポート
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/others/travel/060126/index.htm
  中国の「愛国行動」をネットから分析する
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/special/2008/04/25/19367.html

(2009/06/05)


  山谷剛史(やまや・たけし)
海外専門のITライター。カバー範囲は中国・北欧・インド・東南アジア。さらなるエリア拡大を目指して日々精進中。現在中国滞在中。

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