トレンドマイクロは3日、2003年9月度の「ウイルス感染被害マンスリーレポート」を発表した。感染報告件数は3,511件で、2003年8月度の5,266件より減少している。
このレポートは、2003年9月1日から30日にかけて、同社サポートセンターに寄せられた問い合わせをまとめたもの。2003年9月度の上位には、先月はWORM_MSBLASTに含まれて集計された「WORM_NACHI.A(Blaster.D)」が1位、2位には「WORM_MSBLAST(Blasterウイルス)」(先月1位)、3位には「WORM_KLEZ」(先月3位)がランクイン。
ランキング1位のWORM_NACHI.Aは、被害件数810件と8月度の被害件数789件を上回る勢い。2位のWORM_MSBLASTでも、被害件数310件と3位WORM_KLEZ(169件)を引き離している。ただしトレンドマイクロでは、Blaster関連の感染報告は依然多いとしながらも、沈静化に向かっているという。
また、送信者を詐称してウイルスを添付したメールを送信するワームにより、スパムメールが増加していることを指摘。「ワームの送信した大量のメールが、宛先不明などのエラーで送信者に設定されたアドレスに戻ってしまい、悪質なスパムメールになっている」という。特に9月度レポートで6位にランクされた「WORM_SOBIG」によるスパムメールの問い合わせが増加。「このようなスパムメールを防ぐためには、メールソフトなどのコンテンツフィルタリング機能を推奨する」としている。
さらに9月度の新種ウイルスとして、5位にランクした「WORM_SWEN.A」を解説。WORM_SWEN.Aは、Microsoftからのアップデートプログラムに偽装して感染活動を行なうウイルスで、メールをプレビューしただけで感染する可能性がある。共有フォルダやP2Pソフト「Kazaa」、チャットシステム「IRC」などを通じても感染する。「WORM_SWEN.Aが送信するメールには、マイクロソフトからのメールに見せかけたものも。国内でも感染が拡大する方向にある」とし、注意を呼びかけている。
順位 |
名称 |
種類 |
被害件数
(8月度) |
被害件数
(9月度) |
1位 |
WORM_NACHI.A |
ワーム型 |
810件 |
-
(MSBLAST.Dの件数:789件) |
2位 |
WORM_MSBLAST |
ワーム型 |
310件 |
2413件 |
3位 |
WORM_KLEZ |
ワーム型 |
169件 |
197件 |
4位 |
VBS_REDLOF |
VBScript型 |
144件 |
187件 |
5位 |
WORM_SWEN.A |
ワーム型 |
124件 |
- |
6位 |
WORM_SOBIG |
ワーム型 |
105件 |
- |
7位 |
BUGBEAR |
ファイル感染型 |
98件 |
85件 |
8位 |
JAVA_BYTVERIFY.A |
その他 |
66件 |
57件 |
9位 |
BKDR_LASTRAS.A |
バックドア |
64件 |
- |
10位 |
WORM_RANDEX |
ワーム型 |
36件 |
- |
関連情報
■URL
2003年9月度マンスリーレポート
http://www.trendmicro.com/jp/security/report/report/archive/2003/mvr0309.htm
・ Microsoftからのアップデートプログラムに偽装したウイルス「Swen」(2003/09/19)
・ BlasterやSobigで一般ユーザーのウイルス対策ソフトへの認識高まる(2003/09/03)
( 鷹木 創 )
2003/10/03 15:01
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