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Google、サイト向け広告配信プログラム「AdSense」の日本提供を公式発表


(向かって右から)米GoogleのOmid Kordestani業務開発・営業担当上級副社長、グーグルの村上憲郎代表取締役社長、同じく佐藤康夫セールス&オペレーション・ディレクター
 グーグル株式会社は14日、Webサイトの内容にマッチしたテキスト広告を配信する「コンテンツ向けAdSense」の日本における提供開始を公式に発表した。すでに2003年12月よりImpress WatchやAll About Japan、@niftyで導入されていたが、1月14日からBIGLOBEでも導入、さらに時事通信社も近く導入する予定だ。このほかにも提供開始から約1カ月で、数百の一般サイトがこの広告配信プログラムに参加しているという。

 コンテンツ向けAdSenseでは、Googleの検索技術を駆使し、Webサイトのリンク構造、言葉の頻度や位置、フォントサイズなどから言語学的に内容を解析してキーワードを抽出。これにマッチしたテキスト広告をサイト上に配信・表示する。いったんページ内にタグを設定すれば、あとは的確な広告がダイナミックに配信されるようになっており、サイトオーナーにとってメンテナンスフリーで導入可能だという。なお、サイトにマッチする広告がない場合は、第三者機関の広告またはサイトの自社広告が表示される。

 グーグルは従来、検索キーワードに関連した広告をGoogleの検索結果ページに表示する「アドワーズ」、Yahoo! JAPANやgooなどの提携検索サイトに表示する「サーチ向けAdSense」を日本で提供していたが、コンテンツ向けAdSenseにより「今後はコンテンツパブリッシャーにとって、どんなページでも収益源になる」(米GoogleのOmid Kordestani業務開発・営業担当上級副社長)という。特に「専門性を持っているページほど真価を発揮する」(グーグルの佐藤康夫セールス&オペレーション・ディレクター)ため、トップページなどには需要の多い既存のバナー広告などを掲載し、従来は広告スペースの買い手が付かなかった奥深いページにコンテンツ向けAdSenseを導入する使い分けが考えられるとしている。


「INTERNET Watch」記事ページ中に表示されたコンテンツ向けAdSenseの広告
 コンテンツ向けAdSenseには、大規模サイトや戦略的パートナーに提供するプレミアムサービスと、一般サイト向けサービスの2種類がある。Impress Watchなどに提供されているのはプレミアムサービスで、原則として月間1,000万ページビュー以上のサイトが対象となっており、Googleの専属担当者によるサポートが受けられる。一方、一般サイト向けサービスはすべてのサイトオーナー向けとなっており、GoogleのWebサイト上からオンラインで申し込みが可能。Googleの審査を通過したサイトにのみアカウントが発行され、ページ上にコンテンツ向けAdSenseを表示できる。個人の私的なページなどは、審査で落ちる可能性が高いとしている。

 いずれのサービスでも、事故などを報じるニュースなど広告表示に不適当なページを文脈で判断して広告表示を排除したり、競合企業の広告を排除するフィルタリング機能を備えている。さらにサイトオーナーは、広告の表示形式を50種類以上のテンプレートから選択できるとともに、背景色や枠の色も指定も可能だ。また、サイトの対象国を指定することで、表示される広告の言語もある程度絞り込める。

 コンテンツ向けAdSenseで配信される広告は、アドワーズおよびサーチ向けAdSenseと共通で、Googleへ出稿する広告主は、配信先を1)アドワーズ、2)アドワーズとサーチ向けAdSense、3)コンテンツ向けAdSenseも含めた3種類すべて──という3つから選択できる。現在、全世界で15万社以上の広告主があるという。出稿料金体系も共通で、1クリック7円から(キーワードごとに入札により決定)のクリック課金となっている。なお、プレミアムサービスによる広告配信の場合は、パートナーとの契約内容により、インプレッション課金が発生する場合もある。出稿料は、Googleとサイトオーナーで分けるかたちとなり、サイトオーナーへはドル建ての小切手で支払われるが、今後、日本円での支払いも予定している。


(向かって左から)インプレスウォッチカンパニーの小川亨プレジデント、リクルート・アバウトドットコム・ジャパン広告事業企画制作部門の手下勝義ジェネラルマネージャー ニフティサービス事業部コマース広告部の下馬場浩課長、NEC BIGLOBE事業本部BIGLOBEサービス事業部の下島健彦統括マネージャー

 14日に東京都内で行なわれた記者発表会には、プレミアムサービスのパートナーも出席。「従来のリスティング方式の広告プログラムはニュースサイトにはそぐわなかった。AdSenseのようなかたちで意味のある広告を表示できれば、読者にとっても価値がある」(インプレスウォッチカンパニーの小川亨プレジデント)、「Blogのようなサイトを簡単に作る技術と、広告を簡単に表示する技術を合わせれば、広告収入の機会のすそ野が広がるのではないか」(ニフティサービス事業部コマース広告部の下馬場浩課長)などとコメントした。

 なお、日本国内におけるコンテンツ向けAdSenseの効果については、まだ提供開始から間もないために具体的なフィードバックは得られていない。ただしグーグルによれば、広告主からはリーチが増えることに対して歓迎の声が寄せられているという。また、米国ではアドワーズと遜色ない効果があるという結果が出ているとしている。


関連情報

URL
  Google AdSense
  https://www.google.com/adsense/?hl=ja

グーグル、サイトにテキスト広告を表示する「AdSense」を日本で開始(2003/12/04)
グーグル、テキスト広告を表示する「AdSense」を一般サイト向けに提供(2003/12/25)

URL
  関連記事:Google、広告配信プログラム「AdSense」発表 (impress TV)
 


( 永沢 茂 )
2004/01/14 17:17

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