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総務省、電力線通信の漏えい電波の低減技術開発に実験制度導入


 総務省は21日、「実験用高速電力線搬送通信設備の設置許可に係る方針」を発表した。国内では規制されている2MHz~30MHzを使った電力線搬送通信(PLC)の実験制度導入にあたり、実験設備の設置を許可する際の条件を示している。総務省ではこの方針にもとづいて、近日中に関連する法令を公布・施行する。

 2MHz~30MHzを使うPLCは、国内で現在認められている10kHz~450kHzを使ったシステムよりも高速化が期待できる反面、電力線から漏れる電波が同じ周波数を使っている他の無線システムに干渉を与えることが確認されており、総務省では規制緩和を見送っていた。今回の制度は、漏えい電波を低減するための技術開発を目的とした実験に限って、許可制で高速PLCシステムの運用を認めるものだ。

 総務省ではすでに2003年8月、方針案を公開してパブリックコメントを募っていたが、今回、最終決定した方針でも特に大きな変更はない。漏えい電波が既存の無線システムに重大な障害を与えないことの技術的根拠や漏えい電波の強度などを申請時に示すことが求められているほか、周辺の無線局への事前説明義務、何か障害が起こった場合の停止措置などについて述べられている。

 ただし、制度の趣旨を明確にするために若干の変更を加えたとしており、「実験設備の設置者は、漏えい電界強度の低減技術を開発したものであること」などの項目が追加された。あくまでも漏えい電波の低減技術開発が目的の実験制度であり、単に海外などで製品化されている既存システムを持ち込むだけの実験は認められない。このほか、「実験期間中は、電磁障害があった場合に速やかに対応できるよう、連絡窓口を設置すること」という項目も追加されている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040121_1.html

総務省、高速電力線通信の実験制度導入に向けて省令の改正案(2003/08/29)


( 永沢 茂 )
2004/01/21 17:09

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