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NTT東日本、Bフレッツの排除勧告で公取委と全面対決の姿勢

介入は不当だとして審判打ち切りを求める公式見解

 NTT東日本は、同社がFTTHサービス「Bフレッツ・ニューファミリータイプ」を不当に安い料金で提供しているとして公正取引委員会が行なった排除勧告について、公式見解をまとめた。勧告は不当なものだとして、「黙って従う事業者など、恐らく世界中を探してもいない」などと激しい口調で反論し、審判の打ち切りを強く主張している。

 排除勧告は2003年12月に出されたもので、ニューファミリータイプの月額料金4,500円が、本来は光ファイバ1芯を最大32分岐することを前提に設定されたものであるにもかかわらず、実際は分岐していないと指摘。一方、他の事業者へ光ファイバ1芯を提供する際の接続料金が5,074円であることから、他事業者の新規参入を阻害していると主張していた。これに対してNTT東日本では勧告の受け入れを拒否し、議論が審判の場に移されていた。

 公式見解は、2月25日に開催された第1回審判におけるNTT東日本の陳述をまとめたもので、3月2日付けで同社Webサイトでも公開されている。ブロードバンド市場の範囲や投資リスク、分岐設備の導入時期の判断に対する公取委の認識の誤りなどを指摘。審判開始決定書に記載された事実は独占禁止法違反にあたらないと結論づけている。

 NTT東日本によれば、FTTHは独立した市場ではなく、高速化が進む低料金なADSLとの熾烈な競争にさらされていると説明した上で、FTTHの料金を引き下げたニューファミリータイプの投入は、「ブロードバンド市場における新たな需要を創出し、より自由かつ健全な競争の可能性を高めた競争促進的なものだった」と主張。このような消費者利益につながる行動が、あたかも私的独占であるかのように主張し、審判を開始した公取委に対して、「独占禁止法が一般消費者の利益の確保を目的としていることを忘れ、消費者利益を犠牲にして、一部のそもそも存在するか否かすら怪しげな『競争事業者』の利益を確保しようとするものと言える」としている。

 また、分岐方式の採用が値下げのための単なる名目に過ぎないと公取委が判断しているのであれば、それは明らかに間違いと指摘する。分岐設備を導入していないのは、需要が点在している現時点では、これを即座に導入する必要がなく、将来需要が増加してから導入するのがコスト的にも合理的と説明。公取委の主張に対して、「民間企業であれば当然採るはずの投資判断について、不合理あるいは違法であるとするもので、その不当性は明らか」としている。


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URL
  公正取引委員会の排除勧告と審判開始決定に対するNTT東日本の主張
  http://www.ntt-east.co.jp/aboutus/topics/20040302.html

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( 永沢 茂 )
2004/03/05 16:05

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