シマンテックは7日、2004年3月度の「ウイルス被害ランキング」と「脆弱性ランキング」を発表した。ウイルス被害の1位は、国内外ともにウイルス「Netsky.D」。このほか、Netsky亜種も多数ランクインした。
国内ランキングでは、Netsky.Dが842件で1位。これは先月度1位だったMydoom(300件)の2倍以上の数字だ。次いで、2位にはNetsky.Q(303件)、3位にはBugbear.B(189件)となった。Netsky亜種に注目すると、Netsky.Pが106件で6位、Netsky.Bが70件で9位、Netsky.Cが67件で10位にそれぞれランクインしている。
ワールドワイドでも、Netsky.Dが24,464件と、2位の「HLLW.Gabot.Gen」(11,878件)に2倍以上の差を付けて首位になった。こちらでも、Netsky.Bが6,103件で6位、Netsky.Cが5,939件で7位、Netsky.Pが3,802件で8位にランクインしている。また、Bagle(シマンテックではBeagleと表記)の亜種もランクイン。Bagle.Mが7,435件で3位に、Bagle.Eが6,891件で4位になっている。
Symantec Security Responseの星澤裕二氏は、「Netskyは添付ファイルを開かなければ感染しない亜種が当初発見されたが、Netsky.Qのように過去の脆弱性を利用してメール本文を開いただけで感染する亜種も現われた。また、最近の大量メール送信ウイルスは、確実に届くメール送信機能を搭載するため、感染被害は以前にも増して拡大している」と分析。こうした被害を防ぐためには、「ウイルス対策ソフトをインストールするだけでなく、ウイルス定義ファイルを常に最新版に更新することが重要。感染してしまった場合は、被害の拡大を防ぐために、感染メールの外部流出を防ぐ機能を有効にするべきだ」と指摘している。
さらに、「今月のランキングには入っていないものの、国内ではP2Pソフト『Winny』を経由して感染を拡げるウイルス『Antinny』の被害が拡大している」(星澤氏)という。ファイル名に日本語が使われるため、日本人が被害にあいやすいことを指摘し、「共有フォルダに怪しいファイルを発見しても安易に開かないように」と注意を促した。
なお、同時に発表された脆弱性ランキングでは、「Internet Security Systems Protocol Analysis Module ICQ Parsing Buffer Overflow Vulnerability」が首位。続いて、「Common Desktop Environment DTLogin Unspecified Remote Double Free Vulnerability」、「HP HTTP Server Trusted Certificate Compromise Vulnerability」となっている。
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■URL
シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
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( 鷹木 創 )
2004/04/07 18:33
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