米AOLの子会社である米ICQは20日、次世代インスタントメッセージサービス「ICQ 4.0」を発表した。同社のWebサイトからダウンロードできる。このバージョンでは、インスタントメッセージ機能の上に自由に機能を追加するためのAPIである「ICQ Xtraz」プラットフォームが大きな特徴となっている。
 
  ICQ 4.0はでは画面のデザインが変更されたほか、自分を表現するためのアイコンとして「My Image」画面を使って写真を貼り付けたり、ICQが用意した「Image Gallery」を利用してアイコンを自分の代わりに表示する「ICQ Devils」機能、マルチプレイヤーゲームを含む各種ゲームなどの機能を追加。さらにグリーティングカード機能や、ショートメッセージサービス(SMS)を利用して携帯電話にメッセージを送る機能がこれまでより強化されたうえ、わかりやすい位置にアイコンが置かれている。
 
  今回のバージョンで最も特徴的なのは、オープンなAPIをICQ Xtrazプラットフォームとして公開したことだ。ICQ XtrazはICQの左側に表示されるタブをクリックすることで引き出すことができ、この中には現在自分のアイコンを編集するためのICQ Devils機能や4つのネットワークゲームが用意されている。今後、ICQ Xtrazに新しい機能が追加されるときも、ファイルをダウンロードする必要はなく、自動的に利用できるようになるのが大きな特徴だ。
 
 
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ICQ 4.0 Lite
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ネットワークゲームやMy Imageの編集機能などが用意されたXtraz Center画面
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 現在のところ、このAPIを利用してゲームを提供しているのはOberon Media社だけだが、ICQのゼネラルマネージャーであるOrey Gilliam氏は、「我々は新しいXtrazテクノロジーによって、コンテンツを提供したり、ユーザーのニーズに合ったサービスを提供するどんなパートナーに対しても、即座にこのパーソナルコミュニケーションプラットフォームを拡張できる。また、ユーザー自身が世界的なICQコミュニティの楽しみのために、新しい革新的な機能を創造できるようになる時のことを楽しみにしている」とコメント。現在提供されているゲーム以外にも複数の企業にこのAPIを公開して新機能を追加する準備があることや、将来的には一般ユーザーに対してもAPIを公開する用意があることを示唆している。
 
  ICQは2004年3月にインスタントメッセージサービスとしては世界で初めてのソーシャルネットワークサービス「ICQ Universe」を発表しており、ICQのプロフィールに応じてアイコンを選択したうえで知人同士のネットワークを作るサービスを展開している。今回のICQ 4.0のインターフェイスは、このICQ Universeのものとよく似ており、将来的にICQ Xtrazとの関連を持たせることも十分に考えられる。
 
  なお、ダウンロード提供が開始されたICQ 4.0では、新機能が利用できるのはいわゆる「Lite」バージョンのみだ。これまで提供されてきた多機能な「Pro」バージョンと併用することは可能であるものの、Proバージョンでは新機能が利用できないようだ。そのため、Liteバージョンの方がProバージョンよりも機能が豊富であるというねじれた状況になっている。
 
 
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My Image画面
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Image Gallery画面
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  関連情報
 
 
■URL 
  ニュースリリース(英文) 
  http://media.aoltimewarner.com/media/newmedia/cb_press_view.cfm?release_num=55253910
 
  ダウンロードページ 
  http://www.icq.com/download/
 
 
■関連記事 
・ IMで初めてのソーシャルネットワークサービス「ICQ Universe」(2004/03/05) 
 
 
( 青木大我 taiga@scientist.com )
 
2004/04/21 12:19
 
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