米Sendmailは1日、迷惑メールなどを防ぐための送信者認証スキームをテストする「Sendmail Messaging Integrity Pilot Program」という公開実験を開始した。
送信者認証スキームに関しては、米Microsoftや米Yahoo!などがすでに具体的な提案と実装を発表しており、Sendmail自身も今年2月に両社の提案に基づくスキームの実装実験を開始した。今回Sendmailが発表したのは、世界のメール関連ソフトウェア開発企業にテストそのものを公開することで、最も効果的な送信者認証メールシステムを見極めようとする試みだ。Sendmailでは、Yahoo!のDomainKeys、MicrosoftのCaller ID、Pobox.comの創業者兼CTOであるMeng Wong氏によるSender Policy Frameworkという3種類の送信者認証スキームについて、それぞれのSendmail版オープンソース実装を公開し、ダウンロードできるようにしている。
送信者認証スキームがこれほどまでに重要なのは、すべてのメールの送信者が明確になることによって、差出人が曖昧または不明である迷惑メールや詐欺メールを根絶できる可能性があるからだ。しかし、さまざまな技術が使用されているインターネットにおいて、メールに使用されているプロトコルをわずかでも変更することには大きなリスクが伴う。今回のような公開テストには、問題点を洗い出し、改善していくための大きな意義があると考えられる。
Sendmailは今回のパイロットプログラムの最新情報をWebサイト「sendmail.net」上で公開し、テストの結果や送信者認証技術のロードマップなどを関係企業に公開していくことにしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.sendmail.com/smi/news/pressrelease.jsp?eventOID=82898&localId=USA
sendmail.net(英文)
http://www.sendmail.net/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/06/02 13:14
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