NTT(持ち株)は、10月1日に行なわれた社長会見の内容を公開した。NTTの和田紀夫社長は、同日に発表されたNTT東西の電話料金値下げを中心に、光ファイバ開放義務やドライカッパに関する意見を示した。
NTT東西の電話料金値下げについて和田社長は「今回の対応策は常に提唱しているレゾナント構想の実現に向けた一連のプロセスに乗ったもの」とコメント。また、値下げの度合いについては「今回がぎりぎりだと思う」とした上で、「今後の推移によっては合理化努力や他の収入源も含めてトータルで考える必要がある」と含みを持たせた。
ドライカッパを用いた固定電話事業の参入が相次ぐ中、接続料の問題をどう考えるのかという問いには「ドライカッパは自ら交換機を設置してお客様を収容するサービスであり、NTT東西の交換機を使用しないのだから、接続料の基本的な部分に触れる問題だ」と指摘。「ドライカッパは現在の接続制度の仕組みの前提としてなかったものであり、仕組み全体を見直す必要があるだろう」と語った。
NTTコミュニケーションズがドライカッパを用いた固定電話事業に参入する可能性については、「選択肢としてはあると思うが、コミュニケーションズからは今回の対応策として実施する考えはないと聞いている」と否定。さらに「仮に実施した場合、NTT東西とコミュニケーションズ、IP電話と3種類の交換機がグループ内にできてしまうため、グループ内の資源有効活用を考えれば現在はそこまで至っていない」と補足した。
光ファイバの開放義務は「これから競争して敷設していく性格のものであり、投資する側のリスクを大事にしていただきたい」とし、指定電気通信設備から外して欲しいという意向を強調した。これは光ファイバを開放しない訳ではなく、「開放はするがその条件を貸す側と借りる側が相談して決めるようにして欲しい」との意味だという。和田氏は「光を敷いたら公定価格で貸し出す義務があるのではかなわない」と補足した。
次世代ネットワークのフルIP化は「現在は明確なスケジュールを持てない状況」という。和田社長は「固定電話網は非常にしっかりと作られており、最高のユーティリティとという側面もある。固定電話と次世代ネットワークを二重に持つことは負担が大きく、何とか早期に固定電話網を次世代ネットワークへ移行していきたい」との意向を示した。
関連情報
■URL
NTT社長会見
http://www.ntt.co.jp/kaiken/
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( 甲斐祐樹 )
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