米Microsoftは13日、デスクトップ検索ソフトを含む「MSN Toolbar Suite」ベータ版を公開した。Microsoftがデスクトップ検索技術を持つ企業を買収し、この分野に参入することは以前から明らかになっていたが、初めてMSNのブランドを得て姿を現わしたことになる。
公開されたMSN Toolbar Suiteには、Internet Explorer、Outlook、Outlook Expressに付属するかたちのMSN Toolbarと、タスクバーに常駐するかたちのMSN Deskbarが含まれている。OutlookまたはOutlook ExpressにToolbarをインストールするには、事前にいずれかのソフトがインストールされている必要がある。
Toolbarからは、Web検索またはデスクトップ検索のどちらかを選択して検索できる。Web検索では、11月に公開された「MSN Search」ベータ版のサーチエンジンを使った検索結果が表示される。デスクトップ検索ではローカルファイルの検索結果が表示されることになり、この場合はインターネットに接続していなくても利用できる。
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MSN Toolbarの全景
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デスクトップ検索ソフトをインストールすると、すぐにインデックス作業が始まる。インデックス作業とは、どのファイルがどこにあるかを高速に指し示すための辞書を構築する作業で、ローカルファイルの量によって数分から数時間かかる。ただし、コンピュータが使用されていない間に行なわれるため、通常の作業が中断されることはない。また、インデックス作業を15分間手動で止めることも可能だ。さらにノートPCを使用している場合には、バッテリー稼働時は電池節約のためインデックス作業を停止する。
Outlookがインストールされている場合には、メールファイルがマイドキュメントフォルダとともにインデックスされ、デスクトップ検索からメールが検索できるようになる。検索できるファイルの種類はOutlookファイルのほか、Officeファイル、テキストファイル、マルチメディアファイルなど。プラグインをインストールすればPDFファイルも検索対象に含めることができる。なお、複数ユーザーで共有しているPCの場合は、プライバシーを守るため、他のユーザーのマイドキュメントフォルダの内容が表示されないように設定されている。
Microsoftによると、MSN Toolbar Suiteのベータ版は英語版Windowsにのみ対応するとしており、その他の言語については2005年に発表する予定だ。英語版Windows以外にインストールした場合のは動作は保証されていないが、実際に使用してみたところ、思いのほか多くの日本語ファイルを検索することが可能だった。対応OSはWindows XP/2000で、Internet Explorer 5.01以上が必要となる。
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日本語でデスクトップ検索したときの結果表示例
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検索できるファイルの種類
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デスクトップ検索ソフト分野では米Googleがすでに「Google Desktop Search」ベータ版を公開し、Microsoftに先行している。また、米Yahoo!も2005年早々にデスクトップ検索ソフトを発表すると報道されている。デスクトップ検索ソフトですでに定評と実績がある米Copernicを追いかけるかたちで、インターネット業界で重要な位置を占める3社が同種のソフトを同時期に正式発表することになりそうだ。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2004/dec04/12-13SearchToolbarPR.asp
MSN Toolbar Suiteのダウンロードページ(英文)
http://beta.toolbar.msn.com/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/12/14 13:50
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