英Netcraftが2004年末からフィッシングサイトを識別するInternet Explorer向けツールバー「Netcraft Toolbar」を無料で提供している。Windows XP/2000に対応しているが、英語版のみの提供となる。
Netcraft Toolbarは、訪問したWebサイトがホスティングしている場所や国、サイトの存在している時間、アクセス数などをNetcraftの巨大なデータベースを利用して識別するツールバー。訪問したサイトがフィッシングサイトだった場合は、表示しないようブロックする。また、フィッシングサイトの情報をNetcraftに送信することも可能で、他のユーザーの被害を防げるという。さらに、クロスサイトスクリプティングを利用するトラップや疑わしいURLを含んだ文字列など詐欺目的の手法も識別するとしている。
このほか、ツールバーやアドレスバーの偽装を目的としたようなポップアップウィンドウの抑止機能を搭載した。なお、Netcraftによれば、Googleツールバーなど他のツールバーとも併用できるという。
Netcraftではこのほか、各国別にフィッシングサイトが存在する割合を発表。最も割合が高いのはブルネイで、292のWebサイトにつき1件はフィッシングサイトが存在しているという。続いてベラルーシ(903サイトあたり1件)、パレスチナ地方(935サイトあたり1件)、ニカラグア(970サイトあたり1件)となった。
東南アジアでは台湾(1,257サイトあたり1件)、フィリピン(1,680サイトあたり1件)、韓国(4,810サイトあたり1件)、中国(6,053サイトあたり1件)となっている。なお、2004年11月にVISAを騙ったフィッシングサイトがホスティングしていたルーマニアでは2,082サイトあたり1件の割合でフィッシングサイトが存在していたという。
Netcraftでは「フィッシングサイトはしばしば法律の執行力が弱い発展途上国にホスティングする。また、ホスティング先の企業に金銭を渡してサイトをできるかぎり継続させ続けるようだ」と分析。こうしたフィッシング詐欺に対しては、「Netcraft Toolbar」の利用や、警察などの執行機関にコンタクトをとることなどを対策として掲載している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(Netcraft Toolbar、英文)
http://news.netcraft.com/archives/2004/12/28/netcraft_antiphishing_toolbar_available_for_download.html
Netcraft Toolbar Tutorial(英文)
http://news.netcraft.com/archives/2004/12/29/netcraft_toolbar_tutorial.html
ニュースリリース(フィッシングサイト調査、英文)
http://news.netcraft.com/archives/2005/01/03/fraud_hosting_and_phishing_site_countermeasures.html
■関連記事
・ セキュアブレイン、フィッシングサイトを“赤信号”で警告する「PhishWall」(2004/11/24)
・ VISAを騙ったフィッシングメールの偽サイトはルーマニアに~VISA中間報告(2004/11/11)
( 鷹木 創 )
2005/01/06 16:25
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