米Alacritechは13日、米Microsoftと争っていた特許侵害訴訟で、米連邦地裁がMicrosoftに対し、次期Windows“Longhorn”にも組み込まれる予定の通信技術について、販売や利用を差し止める仮処分命令を言い渡したと発表した。
訴訟となっていた技術は、Windows Server 2003のScalable Networking Packに組み込まれており、Longhornにも搭載される予定のTCP負荷軽減アーキテクチャ「Chimney」。AlacritechはChimneyについて、同社の独自アーキテクチャ「SLIC Technology」を利用したものだと主張。米国特許番号「6,427,171」と「6,697,868」の2つの特許を侵害しているとして2004年8月に提訴していた。なお、特許のタイトルはいずれも「Protocol processing stack for use with intelligent network interface device」となっている。
Alacritechでは特許侵害訴訟に先駆け、Microsoftにライセンス契約を持ち掛けていた。AlacritechのLarry Boucher社長兼CEOは、「MicrosoftのChimneyがAlacritechの知的財産をベースにしていることを発見し、Microsoftにライセンス契約を提案した。しかしMicrosoftは、我々が許容できるライセンス条件を拒否したのだ。特許侵害をやめさせ、知的財産を守るには裁判に訴えるしかなかった」と語る。
AlacritechのSLIC Technologyは、TCP/IP、RDMA、iSCSIといったネットワークプロトコルを処理する際の負荷を軽減するアーキテクチャ。「Ethernetベースのネットワークにおいてシステムとネットワークのボトルネックを小さくし、かつデータの移動を最大限効率化する。SLIC Technologyを利用することで、システム、アプリケーション、ネットワークのパフォーマンスが大幅に向上し、ネットワーク速度を10Gbps以上に高められる」という。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.alacritech.com/html/041305Alacritech_Granted_PI.shtml
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( 鷹木 創 )
2005/04/14 19:22
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