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SCN代表取締役兼執行役員社長の吉田憲一郎氏
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So-netを運営するソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は27日、2004年度の連結業績概要を発表した。売上高は前年同期比3.0%増の393億200万円、純利益は関係会社の株式公開による持分変動益などもあり41億700万円と、それぞれ過去最高を記録した。
2004年度の営業利益は、前年度のマイナス8億7,000万円から26億2,400万円の利益へと大幅に改善。主な要因として、SCN代表取締役兼執行役員社長の吉田憲一郎氏は「広告宣伝費を11億円ほど減らすなどして会員獲得費用を抑えたことで収益を確保できた。関連会社の収益が拡大したことに加えて、株式公開を果たしたソネット・エムスリーとディー・エヌ・エーの2社の価値が顕在化したことも大きい」とした。この結果として、経常利益は前年同期のマイナス9億1,100万円から25億4,000万円の利益に増加した。
2004年度の活動では、新規ビジネスとしてIP電話サービス「So-net フォン」やコミュニティサービス「So-netミニホームページサービス」、「So-net blog」などへの投資を実施。インターネット関連サービスでは、韓国ドラマの視聴者が増加したことや、ソネット・エムスリーやスカイゲートなどの連結子会社の収益が順調に伸びたという。
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連結営業利益の増減要因
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So-net会員数目標
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SCN取締役兼執行役員会長の山本泉二氏
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一方、2004年度におけるSo-netのブロードバンド会員数は、前年の55万人から16.4%増の64万人で、このうち約20%がFTTH会員だという。So-net会員全体としては245万人で、前年から6.5%増を示した。なお、2005年度の会員数目標としては280万人を目指すことを明らかにした。これについて、SCN取締役兼執行役員会長の山本泉二氏は「S社さんも最近は派手な獲得合戦に出てこられていないし、比較的マーケットが正常になってきた。現在、積極策に転じているが、かなり手応えが出てきている」と自信を見せた。
2005年度業績見通しについては、2004年の11%増となる売上高435億円を目指す。しかしその一方で、営業利益は前年比より50%減の13億円とした。その理由として、同社社長の吉田氏は「集客を促すためのポータルのほか、So-net会員の獲得のために積極的に投資をすることが減益の要因」と説明した。
なお、SCNの普通株式を公開するという26日の発表に対して山本氏は「ソニーから独立することで、機動的な意志決定が可能になる。変化の激しい業界において迅速に動けることは重要なこと。具体的には、これまで難しかった資本的な提携もやりやすくなる」とメリットを掲げた。
関連情報
■URL
2004年度連結業績のお知らせ(PDF)
http://www.so-net.ne.jp/corporation/IR/pdf/050427j.pdf
ソニーコミュニケーションネットワーク
http://www.so-net.ne.jp/corporation/
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・ ソニー、SCNの普通株式を公開へ~2005年度内の上場を目指す(2005/04/27)
( 増田 覚 )
2005/04/27 19:30
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