米連邦最高裁が27日に下したユーザーの著作権侵害行為に関してP2P企業の法的責任を問うことを認める判決について、P2P企業の1社である米StreamCastが「技術革新への自由に向けて戦う」とする声明を発表した。
この裁判は映画会社MGMと、P2Pファイル交換ソフト企業であるGroksterおよびStreamCastとの間で争われていたもの。2004年8月に下された米控訴審判決では、P2Pファイル交換ソフト「Grokster」と「Morpheus」が“ピュアP2P”ソフトだとしてユーザーの著作権侵害行為に関する責任はないとされていた。それが今回の最高裁判決では控訴審判決から一転、両P2P企業に著作権侵害の責任追求を認める判決が下された。
この最高裁判決に対してMorpheusを提供するStreamCastのMorpheus CEOを務めるMichael Weiss氏は「私たちが100%合法的に業務を行なっていたと立証するためにダビデとゴリアテの戦いを続けるつもりだ」とコメントし、今後もMorpheusの合法性を訴えていくことを示唆した。
また、StreamCastの副法律顧問を務めるMatthew A. Neco氏は「最高裁判決は、まるでジョージ・オーウェルの描く全体主義社会だ。ハリウッド――すなわち著作権とエンターテイメント業界が、今や思想警察になってしまった」という。
Weiss氏は「FMラジオ、ホームビデオ、ケーブルテレビなどにかかわらず、エンターテインメント産業はいつも、最も恐れることを結局迎え入れることになる。P2Pだって同じだ。そして、彼らがこの技術を受け入れれば、それらは大いに利益となるはずだ」と指摘。「問題は、いったい誰がこの技術をコントロールするのかということ。我々なのかエンターテイメント業界なのかがこの戦いの全てなのだ」と述べた。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.streamcastnetworks.com/06_27_05_morpheus5.html
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・ 米最高裁、P2P企業のGroksterらに著作権侵害の責任追求を認める逆転判決(2005/06/28)
( 鷹木 創 )
2005/06/28 22:06
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