|
ドリーム・トレイン・インターネットの肥田木誠取締役社長
|
ドリーム・トレイン・インターネットは、個人向けインターネット接続サービスの「DREAM TRAIN INTERNET(DTI)」と「Powered Internet(POINT)」を統合し、10月1日より新生DTIブランドへと移行する。これに先だって14日、新ブランド下でのサービス詳細や料金体系、新しいロゴマークを発表した。
ドリーム・トレイン・インターネットは1995年10月に三菱電機情報ネットワークの子会社として会社設立、翌1996年2月にインターネット接続サービス「DTI」を開始した。一方、POINTは1999年4月に東京通信ネットワーク(TTnet)が「東京電話インターネット」という名称で開始したサービス。
その後、2002年7月の業務・資本提携を経て、2003年1月にTTnetがTOBによりドリーム・トレイン・インターネットを子会社化。また、同年4月にはTTnetがパワードコムと統合、東京電話インターネットからPOINTへとブランドが変更され、2004年7月にPOINTのうち個人向けサービスがDTIに事業分割統合されている。
ドリーム・トレイン・インターネットの肥田木誠取締役社長は14日に開かれた記者発表会において、「DTIブランドは10月で会社設立から10年目を迎える。その間、親会社が変わるなど変遷はあったが、DTIが持つ高品質、サポート力といったDNAはキープしている」とコメント。
肥田木社長は「2004年7月にパワードコムからPOINTを引き継いだ点が一番大きな出来事だった」と振り返り、「今回ブランド統合まで1年以上時間をかけたのは、DTIとPOINTの両ユーザーに満足いただける、そして迷惑をかけないようにサービス基盤面での統合準備を特に進めてきたため」と説明した。統合後は、販売網が個人と企業向けで異なるほかは、サポート、サービス、基盤は一体化される。その上で肥田木社長は、「新生DTI発足後は両ブランドの良い点を活かして、サービスを提供していきたい」と抱負を語った。
またロゴマークに関しても、現DTIのロゴマークをベースに、DTIとPOINTの双方が持つブランドイメージを融合させ、「先進性」を強調したデザインへと変更される。肥田木社長は新ロゴマークについて、「DTIのロゴをより力強くしたもの」と述べた。
|
|
ブランド統合による変化
|
ブランド統合に伴い、ロゴマークとシンボルマークも一新
|
● 提供プランを光ファイバサービスにシフトした18プランに集約
|
常務取締役ビジネスアーキテクチャ本部長CPOの鈴木壽明氏
|
|
新生DTIで提供される18プランの料金体系(プランにより、回線終端装置利用料などが別途発生)
|
新生DTIでは、「Speed(光ファイバ時代をリードする)」「Support(顧客満足度第1位の堅持)」「Security(安全インターネットの提供)」の3つの“S”を経営理念に据える。これらを踏まえて、個人向けサービスではDTIとPOINTを合わせて50以上あったプランを18プランへと集約、このうち半数となる9プランが光ファイバ接続サービスで構成される。
月額料金も一部プランを除いて価格の引き下げが行なわれる。このうち、東京電力の「TEPCOひかり」に対応した戸建てプラン「TEPCOひかりホーム」では月額5,722円と、現DTIとPOINTの現行プランと比較して、53円値下げされる。同社常務取締役ビジネスアーキテクチャ本部長CPOの鈴木壽明氏は「POINTで行なっているWeb紹介サービスなどでの割引幅を標準化したもの」と説明。加えて、「TEPCOひかりプランに関しては、最安値を意識して設定した価格帯である」とした。
それ以外にもNTTのBフレッツ対応プラン、イー・アクセスおよびアッカ・ネットワークス対応のADSLプラン、ダイヤルアッププランなどで、既存プランと比較して値下げが実施される。なお、フレッツ・ADSL対応プランではPOINTの既存プランと比較して262円値上げされるが、POINTプランでの値上げは行なわれない。
あわせて、TEPCOひかりプランを中心に基本サービスの拡充も実施する。まず、申し込みからサービス開通までの間、TEPCOひかりとホールセール型ADSLプランではメールサービスやダイヤルアップ接続の提供を行なう。
基本サービスとして、光ファイバ接続サービスではメールアドレスを4個までの利用料を無料化、メールボックス容量も最大200MBに、ホームページ容量も最大100MBまで無料提供する。加えて、全プランを対象にメール送受信時のウイルスチェック、迷惑メールブロック機能を標準提供するとともに、メールアドレスの変更手数料も無料にする。
さらにユーザーサポート施策として、電話・メールサポートに加えてWebサポート「DTIオンライン・コンシェルジュ」を提供する。同サポートサービスでは、各サービスの開通までの状況や手続き、料金紹介などを24時間確認できる。また、今後は契約内容などに応じて付与されるポイントを利用料金の割引や提携各社のサービスで利用できる「DTIポイント制度(仮称)」も導入する。
TEPCOひかりプランでは、POINTブランドで提供していた「0AB~J」番号利用のIP電話サービス「POINT Phoneひかり」を「DTIフォンひかり」へと改称、戸建てプラン「TEPCOひかりホーム」向けに提供する。月額料金はIP電話アダプタ利用料含め525円。同サービスでは050番号も同時に付与されており、DTIフォンひかりおよび無料提携プロバイダーのユーザー間で無料通話が可能。また、固定電話へは3分7.875円(8~23時の場合)で通話できるなど、POINT Phoneひかりと同様の通話料金体系が適用される。
加えて、パワードコムが提供する映像配信サービス「Powered Theater」にも対応、9月15日に提供を開始する。Powered Theaterではカラオケやゲームサービスも提供を予定しているという。
なお、現行のDTIおよびPOINTのユーザーは、POINT側でメールサーバーおよびWebサーバーの設定変更が発生するが、接続IDとメールアドレスは10月1日以降も引き続いて利用できる。新生DTIで提供する新サービスについても、「新生DTIプランに移行することなく、加入できる」(鈴木氏)としている。
このほか同社では、新ブランド発足とともに新規キャンペーンやテレビCMを含めた広告宣伝の展開も行なっていくという。
|
|
メールアドレス数やウイルス対策など基本サービス強化も行なわれる
|
10月1日以降のスケジュール
|
● 光ファイバサービスで年間10万人のユーザー獲得を
|
今後のサービス展開イメージ
|
DTIとPOINTのユーザー数は、2005年8月末現在で約51万人(DTI法人サービス含む)。このうち、40数万人が個人ユーザーで、ブロードバンドユーザーは65%、光ファイバサービスを利用するユーザーは全体の20%を占めるという。鈴木氏によれば、「TEPCOひかりにおけるシェアは当社がトップ」とのことで、ブランド統合後も「年間10万前後のユーザーを光ファイバサービスを獲得したい」とした。ただし、「コース変更などの数値もあり、光ファイバサービスの契約者数がDTI全体の純増数に直結するわけではない」と付け加えた。
今後のサービス展開に関して鈴木氏は、「DTIだからできるサービスを増やしていきたい」と考えているという。具体的にはネット家電やオール電化住宅などと連携した「net住宅サービス」、FTTHとPLC、第3世代携帯電話とWiMAXを組み合わせた「インターネット接続サービス」、デジタル家電向けの映像・音楽配信サービスやIP放送サービスなど「映像系サービス」などを挙げた。
なお、Bフレッツの申し込みから料金請求までをプロバイダーが一括して行なう「with フレッツプラン」への対応、「DTIフォンひかり」のホームプラン以外での提供に関しては、「各通信キャリアと調整を行ない、可能であれば提供を行なっていきたい」(鈴木氏)とした。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.dti.co.jp/release/050914.html
■関連記事
・ DTIとPOINTが10月に統合、新生DTIとして新プランや映像配信サービス提供(2005/07/11)
・ パワードコム、7月1日付けでPOINTをDTIに事業統合(2004/03/22)
・ パワードコムなど、STBでVODやカラオケが楽しめる「Powered Theater」(2005/07/22)
( 村松健至 )
2005/09/14 18:33
- ページの先頭へ-
|