総務省は25日、「ユニバーサルサービス基金制度の在り方」について情報通信審議会から答申を受けたと発表した。
ユニバーサルサービス基金制度は、基礎的な通信サービスである加入電話、公衆電話、緊急通報について全国均一サービスを維持していくために2002年6月に導入されたもの。創設から2年をめどに見直すこととされており、総務省では、ユニバーサルサービスの範囲やコスト算定方法などについて情報通信審議会に諮問していた。
答申では、すでに答申案で示されていた通り、引き続き固定電話をユニバーサルサービス基金の補填対象とすることが適当とされた。具体的なサービスとしては、加入者回線アクセス、第一種公衆電話、緊急通報が挙げられている。これまで対象とされていた市内通話については、マイライン登録制度などにより競争状態の中で安定的に供給されているとし、市外通話や国際通話と同様に補填対象から外すべきとされた。
通信サービスとして普及が進んだ移動電話については、近い将来ユニバーサルサービスと位置付けられる可能性もあるが、当面は基金制度以外の手法で普及を促進することが適当と指摘。また、ブロードバンドについても現時点では国民生活に不可欠とまでは言えないとしたほか、IP電話についても現時点ではユニバーサルサービスと位置付けられるには至っていないとしている。
補填額の算定方法としては、加入密度が少ない収容局のうち高コストの上位4.9%の地域について、全国平均費用を超える額について基金の補填対象とすることが適当としている。また、見直し後の基金制度は、2005年度から2007年度までの3年間用いることとしている。
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■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/051025_5.html
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( 永沢 茂 )
2005/10/25 20:08
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