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SBI、生活関連情報を提供する「ライフコンシェルジェ」を事業の柱に


 SBIホールディングスは15日、消費者のライフイベントに応じた生活関連情報を提供する「SBIライフコンシェルジェ株式会社(仮称)」を設立すると発表した。12月に設立予定で、資本金は5億円。


情報の洪水にライフコンシェルジェで対応

SBIライフコンシェルジェ(仮称)を設立

生活関連ネットワーク事業に乗り出す
 SBIグループではこれまで、アセットマネジメント事業、ブローカレッジ&インベストメントバンキング事業、ファイナンシャルサービス事業を中心にビジネスを進めてきた。今後は、コアビジネスに「生活関連ネットワーク事業」「住宅不動産事業」を追加するとし、SBIライフコンシェルジェは、生活関連ネットワーク事業分野における中核企業として設立するという。

 SBIライフコンシェルジェでは、SBIグループのファイナンス・オールが提供するローン商品の比較・検索サイト「比較ALL」や、SBIパートナーズによる各自治体の行政サービスや助成金などを検索できるといった生活情報サイト「生活ガイド.com」などを組み合わせて生活情報を提供。進学、就職、結婚、退職、引っ越し、自動車購入などのライフステージに応じた情報やサービスを提供することを目指す。

 15日に開催されたSBIグループの事業戦略説明会では、SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役CEOが「Yahoo!だけではアクセスしたいサイトにたどり着けないほど情報が洪水のようになっている。人の認知能力を超えてしまっている」と指摘。SBIライフコンシェルジェが厳選された情報を提供することで、ユーザーが金融や生活の情報をワンストップで利用できるようになるという。

 SBIホールディングスではまた、住宅不動産事業を強化するために9月には株式会社ゼファーに対して20%超の出資を行なっている。さらに、不動産投資関連事業を行なうSBIパートナーズもゼファーと業務提携を締結している。

 現在SBIホールディングスの連結子会社であるSBIパートナーズだが、SBIホールディングスを存続会社として合併することを検討しているという。北尾CEOは「SBIパートナーズとSBIホールディングスを合併することで、ゼファーに対する提携も一本化できる」と合併のメリットを説明した。

 このほか、SBIホールディングスはSBIグループ各社の総務や人事、コールセンター業務などを請け負う100%子会社「SBIビジネスサポート株式会社(仮称)」を設立すると発表した。こちらも12月に設立予定で、資本金は1億円。当初は、イー・トレード証券とSBI証券のアウトソーシングを受託し、順次グループ会社に受託範囲を拡大する予定だという。


SBIホールディングスの北尾CEO コアビジネスに「生活関連ネットワーク事業」「住宅不動産事業」を追加

SBIとは「Strategic Business Innovator」のこと

 北尾CEOによると、SBIがソフトバンクの子会社だったころは「さまざまな制約があった」という。資金の調達についても、銀行からの借入枠はソフトバンク本体に割り当てられていたため、「株式を公開することでしか資金が調達できなかった」。状況が変わった現在では、むしろ「公開するだけが能じゃない」とコメント。主幹事も決まり上場する市場も決定していたというSBIキャピタルの株式公開を取りやめたことに触れ、「公開するよりも合併などで取り込むほうが利益に貢献する場合もある。SBIキャピタルは将来的に事業領域がSBIホールディングスと重なる可能性があるため公開を取りやめた」と述べた。

 また、インターネット時代の証券業について「ネットだけでもリアルだけでも失敗する」と指摘する。北尾CEOの戦略は「リアル based on ネット証券モデル」だ。ネット証券の「低コスト」「集客力」「取引ボリューム」といった特徴をベースに、リアル証券の「地域密着」「対面のプッシュ型営業」「顧客差別化」など組み合わせ、富裕層を中心にサービスを展開する。

 具体的にはネット証券のイー・トレード証券と、リアル証券のSBI証券を組み合わせるという。特に、引受業務をイー・トレード証券に一本化し、一定の割合でSBI証券が販売するよう体制を変更する。


「リアル based on ネット証券モデル」を推進する 引受業務をイー・トレード証券に一本化

ネット銀行設立も「リアル銀行との提携が重要だ」
 住友信託銀行とのネット銀行設立についても「リアル銀行との提携が重要だ」と北尾CEO。提携を狙うのは遺言信託や不動産信託を扱う信託機能を持つ銀行だ。SBIグループの証券口座には、預かり残高5,000万円以上の口座が5,075口座、同3,000万以上の口座が12,317口座あるとし、これら富裕層が利用するであろう遺言信託や不動産信託は、SBIグループと親和性が高いと見ている。

 北尾CEOはまたブランドイメージを重視し、「強い企業から、強くて尊敬できる企業を目指す」という。“社徳”を高めるために「才」より「徳」を重視した人材採用を推進。企業文化を維持・発展させるために2006年度から40~60人規模の新卒採用を始める。

 「現在のグループ内上場企業による時価総額約1兆円を、3年後に3兆円、5年以内には5兆円にする」と北尾CEOは意気込む。「SBIグループのSBIとは『Strategic Business Innovator』だ」と述べて説明会を締めくくった。


5年以内に5兆円の時価総額を目指すと数値目標も表明 SBIとは「Strategic Business Innovator」だという

関連情報

URL
  「SBIライフコンシェルジェ(仮称)」設立のニュースリリース
  http://www.sbigroup.co.jp/news/2005/1115_b.html
  「SBIビジネスサポート(仮称)」設立のニュースリリース
  http://www.sbigroup.co.jp/news/2005/1115_a.html
  SBI証券の完全子会社化とSBIパートナーズの合併検討に関するニュースリリース
  http://www.sbigroup.co.jp/news/2005/1114_a.html

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( 鷹木 創 )
2005/11/15 19:36

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