トレンドマイクロは、同社初のスパイウェア対策専用ソフト「スパイバスター2006」を2006年2月10日に発売する。Windows XP/2000に対応。一部機能はInternet Explorer(IE)5.5 SP2以上で利用できる。価格はオープンプライスだが、トレンドマイクロのWebサイトでは1ユーザー年額3,570円でダウンロード販売する。割安な複数ユーザー版も用意しており、販売目標は1年間で50万ユーザーを目指すという。
● 検知機能に加え、リアルタイム監視や履歴の削除も
スパイバスター2006は、2005年5月にトレンドマイクロが買収した米Intermuteによるスパイウェア対策専用製品をベースに開発した製品。2005年12月1日から13日にかけてベータ版を無償公開していた。
正式版のスパイバスター2006も、主な機能はベータ版から大きな変更はない。Intermute製のスパイウェア検知エンジンとパターンファイルを実装し、「クイック検索」「フル検索」「カスタム検索」といったスパイウェア検索機能が利用できるほか、検出したスパイウェアの詳細情報を表示する画面も用意している。また、PCをリアルタイムで監視し、Webブラウザのホームページ設定の書き換えやレジストリエントリの追加などスパイウェアによる改変が疑われる設定変更を検出・通知する。
履歴情報の管理機能として、IEのキャッシュやOfficeシリーズの使用履歴などアプリケーションごとに保存されている情報などを削除する機能を搭載。Webサイトごとに利用するCookieファイルの一括管理もできるほか、特定のフォルダやファイルに対して「シュレッダー処理」を行なう機能も搭載している。
このほか、PC内に侵入すると駆除することが非常に難しいと言われるスパイウェア「CoolWebSearch」専用の駆除ツール「CWShredder」を搭載した。なお、削除したスパイウェアやレジストリ情報はバックアップファイルとして保存。削除後にシステムが不安定になった場合は、削除したプログラムや設定を復元できる。ただし、Cookieファイルは復元できない。
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リアルタイム検知のデモ
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こちらはCookieの管理
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● Norton Internet Securityとも併用可能
トレンドマイクロの統合セキュリティソフト「ウイルスバスター」シリーズでも、すでにスパイウェアの検知・削除機能を搭載している。ただし、両ソフトとも異なるパターンファイルを利用しているという。同社の田中淳一氏(コンシューマビジネス統括本部プロダクトマーケティングマネージャ)は、「スパイバスターでは69,000のスパイウェアに対応している」とコメント。ウイルスバスターのスパイウェアに関するパターンファイルの数は明らかにしなかったが、スパイバスターと同水準のスパイウェアに対応しているという。
ウイルスバスターとスパイバスターの違いについて「ウイルスバスターでは、スパイウェアによるシステム設定の改変を監視する機能や、履歴情報を削除する機能が搭載されていなかった。また、亜種の多いCoolWebSearchをきれいに削除できるのもスパイバスターだ」と説明する。なお、スパイバスター独自のパターンファイルや機能は「将来的にウイルスバスターに統合する予定だ」と述べた。
「1つレベルの高いスパイウェア対策ソフト」と位置づけるのは、トレンドマイクロの沢昭彦氏(コンシューマビジネス統括本部統括本部長バイスプレジデント)。「ウイルスバスター以外のセキュリティ対策ソフトとも組み合わせて利用してほしい」と語った。なお、現時点でスパイバスターとの併用で動作確認が取れているセキュリティ対策ソフトは「ウイルスバスター2006/2005」と「Norton Internet Security 2006/2005」。このほかの他社セキュリティ対策ソフトについても発売日までに動作確認を進めるとしている。
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トレンドマイクロでコンシューマビジネス統括本部プロダクトマーケティングマネージャを務める田中氏
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コンシューマビジネス統括本部統括本部長バイスプレジデントの沢昭彦氏
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2006/news060123.htm
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・ トレンドマイクロ初のスパイウェア対策専用ソフト、ベータ版を無償公開(2005/12/01)
・ 「スパイウェアやスパム対策には企業買収で製品投入」トレンドマイクロ(2005/06/24)
( 鷹木 創 )
2006/01/23 17:29
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