KDDIは24日、2006年3月期第3四半期(2005年10月~12月)の連結決算を発表した。第1四半期から第3四半期までの累計ベースで、売上高は2兆2,302億円(前年同期比1.6%増)、営業利益は2,576億円(同6.2%増)、当期純利益は1,580億円(同2.5%増)となり、増収総益を達成した。
事業分野別の売上高は、移動通信事業が1兆8,457億円(7.5%増)、固定通信事業が4,358億円(1.8%減)。au・ツーカーが好調の移動通信事業が、メタルプラスの拡販等で減収となった固定通信事業をカバーする形となった。
通期の業績見通しは、売上高を2兆9,760億円から3兆410億円に上方修正。営業利益については期初予想と同じ2,890億円としたが、内訳では移動通信事業を210億円の増加、固定通信事業を210億円の減少に変更した。変更理由については、au事業の1ユーザーあたりの平均収入(ARPU)の上昇や、1月に行なわれたパワードコムとの合併による効果などを挙げた。
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KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長
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KDDIの2006年3月期第3四半期連結決算
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● メタルプラスは契約数が予想を下回る、FTTHは今後の展開を検討中
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メタルプラスの販売状況
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固定通信事業では、販売に注力した直収電話サービス「メタルプラス」が、サービスエリアの拡大が遅れたことなどから契約数が予想を下回り、減収の要因となった。また、メタルプラスでは基本料金の2カ月無料キャンペーンなどを行なっているため、売上への寄与が遅れていることも要因となっているという。メタルプラスの2005年12月時点での契約数は116万5,000契約で、2006年3月の契約数の予想を当初の220万契約から170万契約に引き下げている。
KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長は、「開局の遅れなどから契約数は予想を下回ったが、第3四半期には48万8,000契約の増加となり、急速に開通数を増やしている」と語り、来年度には収益を改善できるという見通しを語った。
これまで、KDDIはメタルプラスの販売に注力しており、FTTHサービスの「光プラス」については積極的な展開は行なってこなかった。KDDIは2005年10月に東京電力とFTTH事業の提携を発表しているが、今後はメタルプラスからFTTHにシフトしていくのかという質問については、「メタルプラスは加入者が伸びており、まだ加入者を増やす予定。FTTHについては現在検討を進めている段階で、光プラスという名称は変更することになる」として、今後の方針などについては年度末決算の段階で明らかにしたいとコメントした。
また、旧パワードコムがライブドアに対して公衆無線LANサービスの回線等を提供する提携を結んでいることについては、「この契約について特に支払いが遅延しているといったことはなく、我々としては通常の契約の考え方で対処していく」と述べ、現時点では影響はないと述べた。
● 移動通信事業は好調、FMCはサービス面で実現
移動通信事業については、auとツーカーの累計シェアが27.4%、純増シェアでは49.2%となるなど好調に推移しており、ツーカーからauへの同番移行も順調に進んでいると説明。解約率も第3四半期は1.11%と過去最低の水準となっている。
また、第3四半期では販売コミッションの平均単価も35,000円と下がっているが、これについては新規契約よりもコミッションの少ない機種変更が多かったことが要因であると説明。通期のコミッションの予想もこれまでの38,000円から37,000円に引き下げたが、販売台数は増えるために通期のコミッション総額については4,440億円から4,880億円へと引き上げた。
移動通信と固定通信を組み合わせたFMC事業については、「現在は固定と移動の両方を契約すると割引になる料金系のサービスを提供している。また、1月19日に発表した音楽サービス『LISMO』も、携帯電話とPCの双方で音楽を楽しめるという点で、FMCにあたると考えている。今後もこうしたサービス面でのFMCを実現していきたい」とした。
また、携帯電話の春商戦については、「LISMOの発表と同時に対応の7機種を発表し、顧客の関心は高いと判断している。また、ワンセグ放送の対応機種も品不足気味となっており、ワンセグ放送への関心も高い。こうしたラインナップとサービスで春商戦を勝ち抜いていきたい」とコメントした。
関連情報
■URL
決算資料(KDDI)
http://www.kddi.com/corporate/ir/presentation/
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( 三柳英樹 )
2006/01/24 20:35
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