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オリコンが記者説明会を開催。今後は動画ダウンロード配信も検討


ORICON STYLE

音声番組の「ORICON TOP 40」はPodcastingでも配信
 オリコンは17日、同社が運営するポータル「ORICON STYLE」に関する記者説明会を開催した。3月からはORICON STYLE上で3つの媒体を新たに立ち上げるほか、今後は音楽配信のアフィリエイトや動画ダウンロードサービスなども検討を進めているという。

 ORICON STYLEは2005年10月にブロードバンドコンテンツの充実を目的とした全面リニューアルを実施しており、オリコンランキングの楽曲を動画で紹介する「ORICON TOP 20」の正式サービス化や、音声でランキングを紹介する「ORICON TOP 40」といった新サービスを追加した。ORICON TOP 40はiTunes Music Store(iTMS)経由でPodcasting配信も行なわれている。

 こうしたリニューアルを踏まえ、ネットレイティングスの調査における2006年1月の月間ユニークユーザーは前年度比2.7倍の400万人を突破。映像配信のORICON TOP20は月間400万ストリーミングを、音声コンテンツのORICON TOP 40は週間15万ストリーミングを記録し、iTMSでのPodcastingランキングも1位を獲得したという。

 2月15日にはさらにサイトの一部リニューアルも実施。音声コンテンツのORICON TOP 40ではDJに鮎貝健氏を迎えたほか、ランキングコーナーには書籍、テレビ視聴率、デジタル機器のランキングが追加された。楽曲の週間シングルチャートではプロモーションビデオが視聴可能になり、オリコンサイト史上初という過去のシングルチャートも1968年1月分から日替わりでニュースサイトに紹介する。


健全なコンテンツのみで500万のユニークユーザーを獲得

オリコンの小池恒代表取締役社長
 オリコンの小池恒代表取締役社長は、ORICON STYLEの特徴として「極めて健全なコンテンツだけで成り立っている」という点を強調。2月には500万のユニークユーザーが獲得可能であるとの予測値を示した上で、「ありとあらゆるアダルトコンテンツを排除していながらこれだけのユーザーを獲得できたということは、自画自賛ながら価値のあることではないか」との考えを示した。

 音楽ランキングのイメージが強いオリコンだが、「3年前から医療関係のランキングを始めるなど音楽以外のランキングも手がけており、人間の持っている興味や関心の対象をランキングしている」(小池氏)。こうしたランキングをYahoo! JAPANなど各メディアに提供し、より詳細な情報をORICON STYLEに掲載してユーザーを誘導する流れがORICON STYLEのビジネススタイルだと小池氏は説明した。

 2005年10月に実施したリニューアルについては、「無料動画番組がポイント」だという。小池氏は韓国の子会社「シネウェルカム」が運営するVOD事業を例に挙げ「韓国でもVODは2年前をピークに頭打ちになっており、10フィートで見るテレビとは異なる2フィートならではのPCコンテンツとは何かを考えた」と説明。その答えが「5分以内のスピード感のある編集」をテーマにしたORICON TOP 20だという。

 これに対して音声番組のORICON TOP 40は、「映像よりもじっくり音楽を聴きながら、さまざまなトレンドも得られる」コンテンツ。小池氏は「ラジオを聞きながらPCを使っても同じことではないか、といわれるが、そこには大きな壁がある。今後ラジオの音声番組もWebとの融合が進んでいくのではないか」との考えを示し、「今後はアーティストをパーソナリティに迎えた音楽番組もリリースする予定」との考えを示した。


「女性」「トレンド」「クール」の観点に基づいた新媒体を立ち上げ

ORICON STYLE今後の目標
 3月には新たに3つの媒体を開設。「ユーザーにとってオリコンというランキングブランドは、音楽そのものよりも何が流行しているかに興味がある」(小池氏)との考えに基づき、女性向けの「ELSA(仮)」、週刊音楽ビジネス誌と連動した「ORIGINAL CONFIDENCE」、アーティストを特集する「WM」の3媒体を立ち上げる。

 ELSAは、ネットレイティング調査で50%を超える女性ユーザー比率というORICON STYLEの特性を活かし、女性ユーザーに関心の高い情報を提供する媒体。ORIGINAL CONFIDENCEはオリコンが発行する同名の雑誌と連動し、世の中の流行やエンターテインメントビジネスに興味を持つユーザーを対象とした媒体。WMは「クール」という形容詞をキーワードにさまざまなアーティストのインタビューや情報を提供していく。

 現在提供中のコンテンツもオープン化を進めていく方針。現在iTMSでのみPodcasting配信されているORICON TOP 40は、「ランキングを高めるためにiTMSでのみ配信していた」としながら、「これからはさらにユーザーを獲得するため積極的に配信していく」。また、動画コンテンツのダウンロード配信についても「JASRACの規定では1回のダウンロードが極めて高い価格設定のため、現段階ではストリーミングを採用している」と述べた上で、「SDカードにダウンロードして携帯電話で再生するような仕組みを“疑似ストリーミング”として理解していただけないか、関係各位と調整しているところだ」との現状を説明した。

 ORICON STYLE上で提供しているブログサービスでも、掲示板と連動してユーザーが意見交換できる新たなサービスを準備中。また、音楽配信サービスでも6月を目標にアフィリエイトを導入する予定だという。アフィリエイトに際して楽曲の画像利用についても「レコードレーベルの許諾は必要だが、方向性としてはできるのではないか」(小池氏)。また、携帯電話向けにORICON TOP 40をストリーミング配信するサービスも準備も進めているとした。

 なお、ORICON STYLEで提供している音楽配信の楽曲ダウンロード数は月に6~7万程度だという。小池氏は「iTMSを除けばダウンロード数は多い方ではないか」との考えを示した上で、「レンタルを意識したプライシングが無ければ普及は進まないのではないか」との課題も投げかけた。一方、Yahoo! JAPANの無料音楽ストリーミング配信サービス「Yahoo!サウンドステーション」に関しては、「オリコンに求められているのはコンパクトに編集された音楽シーンを知りたいということ」とし、無料でのフルコーラス配信という方向性は否定した。

 こうしたさまざまな施策を踏まえ、6月には3億PVと700万ユニークユーザー、9月には5億PVと1,000万ユニークユーザーの達成が目標。小池氏は「社会が求めているランキングを社会に対して配信することで、結果的にサイトを訪れる人が増えるという好循環を加速させていきたい」との意気込みを示した。


関連情報

URL
  ORICON STYLE
  http://www.oricon.co.jp/
  関連記事:ORICON STYLEがリニューアル。ランキング情報を動画やPodcastingで配信[Broadband Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/11562.html

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ORICON STYLE、ATRAC3plus形式の楽曲配信開始などサービス拡充(2005/12/14)


( 甲斐祐樹 )
2006/02/20 13:43

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