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東大を中心とした研究チーム、広域実験でインターネット速度記録を更新


 東京大学の研究者を中心とした国際共同研究チームは、長距離・広帯域データ伝送実験において、インターネット速度記録を更新したと発表した。

 実権は東京大学の平木敬教授らの東京大学Data Reservoirプロジェクトチームを中心として、WIDEプロジェクトをはじめとする内外のネットワーク機関、企業による国際共同チームなどの協力により実施されたもの。

 共同研究チームは、2005年11月の実験でIPv4およびIPv6双方の速度記録を更新。この記録が米国Internet2により、インターネット速度記録として公式に認定された。

 IPv4では、約3万kmのネットワーク上で実験を行ない、7.99Gbpsのデータ転送速度、239,820テラビット・メートル/秒の速度を記録。実験用のOSにはWindows Server 2003を用い、両端に設置したサーバーとネットワークインターフェイスカードも一般的に入手可能なものを使っており、今回の記録を実現した技術は広く応用が可能だという。IPv4実験の場合、データ転送速度は、TCP転送を受信するサーバーのCPU能力で決まったといい、今後CPU性能の向上により、転送バンド幅が高くなることが期待できるとしている。

 IPv6では、IPv4とは経路が違うもののやはり約3万kmのネットワーク上で実験を行ない、6.18Gbpsの転送速度、185,400テラビット・メートル/秒の速度を記録した。IPv6実験ではOSにLinuxを採用。IPv4と同様に、一般に入手可能な機材を用いた。なお、IPv4とは異なり、データ転送速度は、TCP転送を受信するサーバのI/Oバス能力で決まったとしており、PCのI/Oバス速度の向上により、さらなる転送速度アップが期待できるという。


実験で用いたネットワーク経路図

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h17/060309/060309.html
  IPv4実験の詳細(英文)
  http://data-reservoir.adm.s.u-tokyo.ac.jp/lsr-20051110/sub.html
  IPv6実験の詳細(英文)
  http://data-reservoir.adm.s.u-tokyo.ac.jp/lsr-20051112/sub.html
  Internet2 Land Speed Record(英文)
  http://lsr.internet2.edu/
  東京大学GRAPE-DRプロジェクト
  http://grape-dr.adm.s.u-tokyo.ac.jp/

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( 工藤ひろえ )
2006/03/09 19:43

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