九州電力の子会社で発電所の設備を手がける西日本プラント工業は17日、原子力発電所などの業務資料などが、P2Pファイル共有ソフト「Winny」のネットワーク上に流出したことを明らかにした。
流出した情報は、九州電力の社員らとの打ち合わせをまとめたメモのほか、発電所の廊下の手すりや階段の設計資料など95件の業務関連資料。これらの中に、機密性の高い情報は含まれていないという。
西日本プラント工業によれば、発電所の設備を設計していた社員が業務資料をUSBメモリに保存し、自宅に持ち帰って作業していたところ、ウイルスに感染したため情報が流出したという。今回の流出は、原子力安全・保安院が九州電力に通知して、14日に判明した。
発電所関連の情報流出では、2005年6月に三菱電機プラントエンジニアリング、8月に非破壊検査、9月に九州電力の社員がウイルスに感染したことにより、Winnyネットワーク上に情報が流出する事件が発生している。一連の流出を受けた原子力安全・保安院は、「WinnyがインストールされたPCでは業務を行なわない」などの情報管理規則を定めていた。西日本プラント工業でも、業務資料を持ち帰ることを禁止していたという。今後同社は、個人情報管理を再徹底するとともに、Winnyに関する教育も行なうとしている。
関連情報
■URL
九州電力(株)に対する情報管理の徹底に関する要請文の発出について(PDF)
http://www.meti.go.jp/press/20060417003/youseibun-set.pdf
西日本プラント工業
http://www.npc21.jp/
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( 増田 覚 )
2006/04/18 12:44
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