米Googleがテスト提供している学術論文サーチエンジン「Google Scholar」ベータ版に、最近の研究動向を調査するための新機能が追加された。
この新機能は、Google Scholarで検索を行なった際に右上に表示される2つのリンク「All articles」「Recent articles」である。All articlesの場合、これまでに発表されたすべての論文の中から検査結果が表示される。しかし、Recent articlesの場合はランキングアルゴリズムが変更され、最近発表された論文の中で多く引用されている論文やその論文が書かれた日付など、時間と引用のされ方に対する重みが変更される。その結果、最近の研究動向を容易に見極めることができるという。
発表文では、物理学とコンピュータサイエンスの分野で研究されている「量子計算」が例として挙げられている。この場合、すべての論文の中では1998年に発表された量子ドットを用いた量子計算の論文が1位に、そして1985年に発表されたDavid Deutsch博士による量子チューリングマシンの基礎的な論文が2位に表示される。しかし画面をRecent articlesに切り替えると、1位には2001年に発表された線形光学を使った量子計算に関する論文など、2000年以降の論文が軒並み上位に表示されるようになる。
学術論文サーチエンジンの分野では最近、米Microsoftも「Windows Live Academic Search」のベータテストを開始している。両社の間ではインデックス量に加えてランキングアルゴリズムに関しても激しい競争が展開されている。
関連情報
■URL
Google Scholar(英文)
http://scholar.google.com/
Google公式ブログに掲載された発表文(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2006/04/keeping-up-with-recent-research.html
■関連記事
・ 米Google、学術論文サーチエンジン「Google Scholar」ベータ版発表(2004/11/19)
・ Microsoft、学術論文サーチエンジン「Windows Live Academic Search」(2006/04/13)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/04/21 11:55
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