財団法人日本データ通信協会は24日、同協会のサーバーが不正アクセスを受けて国家試験受験者の個人情報約1,600件が消去された件で、同協会元職員が不正アクセス法違反などの疑いで逮捕されたことを明らかにした。
同協会では3月7日、電気通信回線設備の接続工事に関する「平成18年度第1回工事担任者試験」の申請受付で使用していたメールサーバーが第三者に不正アクセスされ、一部のメールが消失した疑いがあると発表していた。同協会によれば、削除されたメールは約1,600件で、これらの中には742人分の受験者の氏名や住所、メールアドレス、電話番号、生年月日、会社名または学校名などの個人情報が含まれていた。なお、消去されたデータが、不正に使用された形跡は現時点では確認されていないという。
警視庁の発表によると、元職員は2月24日から27日にかけて、18回にわたりメールサーバーに不正アクセスした上、約6,100件のファイルを閲覧し、約1,600件のメールを消去したという。逮捕された元職員は2003年9月~2005年8月にかけて情報システム室長を務めており、当時使用していたIDとパスワードを用いてサーバーにアクセスしたと見られる。
日本データ通信協会は、情報通信に関するセキュリティ確保を目的とした活動をしているが、2005年4月にも関係事業者のメールアドレスを送信相手にも表示されるCCを使って送信するなど不祥事が起こっている。今回の件について同協会では、「個人情報が漏洩したことで関係者に心配をおかけして申し訳ない。また、部内にいた者が不正アクセスをしていたことは遺憾」とコメントしている。
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ニュースリリース(PDF)
http://www.shiken.dekyo.or.jp/charge/owabi2.pdf
日本データ通信協会
http://www.dekyo.or.jp/
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( 増田 覚 )
2006/04/26 13:39
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