情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は28日、P2Pファイル共有ソフトの「Winny」と「Share」のネットワークを通じて感染を拡大するウイルス「Antinny」の新亜種について注意を呼びかけた。これは、トレンドマイクロが「WORM_ANTINNY.BJ」、シマンテックが「W32.Antinny.BF」として検出している。
このウイルスは、感染するとWinnyやShareの設定ファイルを改変して、公開用フォルダを新規に作成する。その上で、PC内のファイルを検索し、WordやExcel、Outlook Expressなどのファイルを公開用フォルダにコピーする。他のWinnyやShareユーザーは、これらのファイルを入手できるようになるため、情報流出につながる可能性がある。
ユーザーが、公開用フォルダを作成していなくても、ウイルスが公開用フォルダを作成し、対象となるファイルをコピーするため、ユーザーが気付かないところで情報漏洩することになる。IPA/ISECでは、「ファイル交換ソフトには意図せず情報が漏洩してしまう危険性もあるので、必要がなければ利用しないことが重要」としている。
感染が確認された場合については、1)当該PCをネットワークから切り離す、2)Winny、Shareを削除する前に、公開フォルダをチェックして漏洩したファイルを特定する、3)以後の調査のために、漏洩したファイルをCDやDVDなどの記憶媒体にコピーする、4)漏洩したファイルの中の個人情報、機密情報を特定する、5)官公庁や企業等組織の情報ファイルである場合は、当該組織に速やかに報告する、6)ウイルス対策ソフトでスキャンし、感染した原因を特定する(Antinny亜種の特定)、7)当該PC上で保存すべきデータをバックアップする、8)ウイルスを駆除する、または、パソコンをリカバリする、9)IPAにウイルス被害を届け出る――ことを挙げている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/security/topics/newvirus/antinny.html
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( 増田 覚 )
2006/04/28 20:23
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