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楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長
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2006年第1四半期決算
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楽天は9日、2006年第1四半期(1~3月)の連結決算を発表した。売上高は521億6,800万円(前年同期比236.4%増)、営業利益は111億7,200万円(同141.9%増)、純利益は39億5,000万円(同335.0%増)と、軒並み順調に推移。また、新株発行による1,056億円の公募増資が完了したことで、有利子負債が807億円減少した。
カンパニー別の売上高では、中核となるEC事業カンパニーが127億2,000万円(前年同期比84.4%増)。楽天市場のシステム利用料を値上げしたほか、カード決済のプラットフォームを自社提供するようになったことなどから収益性が向上したという。
クレジット・ペイメント事業の売上高は、楽天クレジットにおいて楽天グループからの顧客獲得が進み225億5,000万円(同2613.8%増)で大幅に拡大。ポータル・メディア事業は、雑誌の創刊や動画放送の開始などによる先行投資で経常利益が前年同期比で3.1%減少したが、売上高は32億5,000万円(同91.0%増)に達した。
トラベル事業の売上高は、宿泊施設側の手数料を引き上げる新契約プランの効果により23億2,000万円(同57.3%)。営業利益では11億5,000万円に達し、四半期ベースで初めて10億円を突破した。証券事業は、楽天市場を経由して楽天証券の口座を開設するユーザーが増加したことなどにより、売上高119億4,000万円(同151.6%増)に上る。プロスポーツ事業は、7億円(同193.6%増)だった。
グループ戦略としては、楽天グループのサービスのIDを統合を進めたことで、楽天会員が2,000万人を突破。また、ポイントキャンペーンを実施することで、楽天市場から楽天証券への会員流入を加速させた。三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、「グループシナジー効果により、売上・利益ともに飛躍的に拡大した」と振り返った。グループ流通総額に関しては1,808億7,000万円に上り、年換算ベースで1兆円規模が視野に入ったとしている。
質疑応答では、「楽天は、Web 2.0に対する取り組みが乗り遅れているのでは」という声も上がった。これに対して三木谷社長は、「Web 2.0をどう収益に結びつけるかが問題。そのためには、広告を載せるか、アフィリエイトが重要。そういう意味では、Linkshareを買収するなど投資を進めており、Web 2.0化が進むほど楽天のトラフィックが増える仕組みはある」と反論した。
また、TBSとの関係については「業務提携の協議が進んでいるので、発言は差し控えたい」とした。
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( 増田 覚 )
2006/05/09 18:41
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