中部電力は14日、同社の尾鷲三田火力発電所(三重県尾鷲市)の防災資料などがファイル交換ソフトを通じてインターネット上に流出していたことが判明したと発表した。核物質防護に関する情報や顧客情報は含まれていない。
流出したのは、同社の関連会社である中電防災が所有する資料。中電防災尾鷲三田事業所の作業員17人の名簿(2001年度)、同発電所の防災地図、不法侵入者発見時の対応要領、防災緊急時の連絡体制などが含まれていた。中電防災の従業員が自宅の私有PCに資料を保存していたのが、ファイル交換ソフトを通じて流出した。14日にマスコミからの指摘で発覚した。
中部電力では1月にも、関連会社の従業員の私有PCから火力発電所に関する情報が「Winny」で流出したことが明らかになっていた。その後、中部電力ではWinnyのインストール禁止、データの持ち帰りの禁止やすでに持ち出しデータの削除といった情報管理の徹底を呼びかけていた。
今回、流出元となった中電防災の従業員もこれを受けてか、それまで使用していたWinnyをアンインストールしたものの、代わりに2月以降は「Share」をインストールしていたという。また、業務資料がPC内に残っていたことも見落としていた模様だ。
一部報道によれば、尾鷲三田火力発電所の資料はShareを介して流出したと報じられているが、中部電力では今のところソフト名やウイルス感染によるものかどうかなどは特定していないという。流出時期が不明のため、WinnyとShareいずれでも流出している可能性も考えられる。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.chuden.co.jp/corpo/publicity/press2006/0514_1.html
関連記事:本誌記事に見る“Winny流出”
http://internet.watch.impress.co.jp/static/index/2006/03/10/
■関連記事
・ 尾鷲三田火力発電所の資料流出は「Share」経由、中部電力が調査結果(2006/05/22)
・ 中部電力の発電所情報がWinnyに流出、原子力安全・保安院が指摘(2006/02/03)
( 永沢 茂 )
2006/05/15 16:33
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