中部電力は19日、同社の尾鷲三田火力発電所(三重県尾鷲市)の防災資料などがファイル交換ソフトで流出していた件で、続報を発表した。調査の結果、25件の資料の流出が新たに判明したほか、流出経路がファイル交換ソフト「Share」だったことも確認した。
当初、中部電力が14日に発表した時点で流出が判明していた資料は、同社関連会社である中電防災が保有する「尾鷲三田火力発電所防災地図」「不法侵入者発見時の対応要領」「苦情対応およびトラブル発生時の処置要領」など8件だった。これに加えて今回、「有事即応訓練マニュアル」「自動火災報知設備警戒区域図」「新入社員・転入者教育標準スケジュール」など、消防関連設備の点検記録や、研修・訓練関係書類など25件の流出が新たに判明した。ただし、これらについても核物質防護に関する情報や顧客情報は含まれていないとしている。
流出時期は5月11日17時11分、流出経路はShareをインストールしていた中電防災の従業員のPCだったことも判明した。
中部電力では1月にも、関連会社の従業員の私有PCから「Winny」で情報が流出する事故が起きている。その際、中部電力ではWinnyのインストール禁止などの対策を呼びかけており、この中電防災の従業員もWinnyはアンインストールしていたが、2月以降は代わりに「Share」をインストールしていたことがわかっていた。
中部電力では、今回の情報流出事故を受けて15日、同社の従業員に対してファイル交換ソフトのインストールを控えることや、情報管理に関する諸ルールの再周知・再徹底などを実施。16日には、中電防災を含む関連会社に対して情報管理の再周知・再徹底を実施した。さらに、18日には、中部電力および関連会社の従業員に対して、私有PC内の業務情報の再点検について指示したという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.chuden.co.jp/corpo/publicity/press2006/0519_1.html
■関連記事
・ 中部電力の火力発電所資料が流出、「Winny」は削除するも「Share」を使用(2006/05/15)
( 永沢 茂 )
2006/05/22 14:47
- ページの先頭へ-
|