コピー防止ソフトを採用した音楽CDを巡り、SONY BMG Entertainmentに対して起こされていた集団訴訟において、ニューヨークの米連邦地裁は22日、和解を最終承認した。米Electronic Frontier Foundation(EFF)が同日発表した。
この和解のもと、コピー防止ソフト「XCP」および「MediaMax」が採用されているSONY BMGのCDの購入者は、DRM技術なしのCDと交換できるほか、一部の購入者には楽曲のダウンロードや現金による和解の資格もあるという。このほかの和解内容としては、EULA条項による制限の撤回や、今後、DRM技術を採用する場合に詳細なセキュリティチェックを経ることなどが含まれている。
なお、和解案はすでに1月に同地裁で予備承認されており、すでに2月からは、EFFのサイトを通じて購入者が請求できる制度も開始していた。EFFの法務ディレクターであるCindy Cohn氏は、「和解に参加することは、この問題の重要性をSONY BMGとエンターテイメント産業全体に知らしめることになる」と述べ、該当するCDの購入者に対して同制度への参加を求めている。
XCPについては2005年秋、rootkitと同様の手法が用いられていることが発覚。セキュリティ上の危険性が指摘されるとともに、ユーザーに通知することなくSONY BMGと通信する点も問題となった。さらにその後、別のコピー防止ソフトであるMediaMaxにも脆弱性があることが発見されていた。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.eff.org/news/archives/2006_05.php#004693
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( 永沢 茂 )
2006/05/23 16:01
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