インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会は5日、ネットオークションにおける知的財産権侵害品の流通防止に関する意見をまとめ、政府に報告書を提出したことを明らかにした。同協議会は、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)などの権利者団体や、ヤフーなどのオークション事業者が中心となり、海賊版や偽ブランド品の流通防止を目的として2005年12月に設立された。
協議会では、海賊版や偽ブランドなどの知的財産権侵害品の流通防止に向けた対策として、出品者情報の開示に係わる制度の整備や、オークション事業者の自主削除を強化する方策などが必要だとして、検討結果を報告書としてまとめ、内閣官房知的財産戦略推進事務局に提出した。
出品者情報の開示については、現時点ではネットオークションで知的財産権侵害品が出品された場合に、権利者からはプロバイダ責任制限法に基づいて出品者情報の開示を請求することになる。しかし、例えば音楽CDの海賊版をインターネットオークションに出品した場合、海賊版販売の広告行為(出品行為)そのものが情報の流通による権利侵害にはあたらないため、出品者情報の開示を請求できない問題があるという。
また、プロバイダ責任制限法においては「権利が侵害されたことが明らかである」時に開示が認められるとされており、権利者とオークション事業者側で見解が異なる場合もあるとしている。
こうしたことから、協議会では「知的財産権の侵害品を販売するための広告行為を権利侵害とするような制度の整備」について検討を求めるとしている。また、権利侵害の明白性の問題については、権利侵害が明白と判断できる事例を類型化することで情報開示の円滑化を図るとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www2.accsjp.or.jp/news/release060605.html
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( 三柳英樹 )
2006/06/05 14:41
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