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掲示板運営者などによる違法情報への対応、削除基準の策定を

総務省の研究会が提言をまとめた最終報告書案

 総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会」は6月30日、最終報告書案を取りまとめた。プロバイダーや掲示板管理者が違法情報の送信防止措置をとることを支援するためのガイドライン策定などを提言している。

 インターネット上の違法・有害情報に対しては、発信者の取り締まりなど発信側への対応およびフィルタリングなど受信側の対応に加えて、情報流通の場を提供するプロバイダーや掲示板の管理者などにおいても、送信防止措置などの対応が可能な場合があるとしている。そこで研究会では、プロバイダーや掲示板の管理者における自主的な対応を促進するための方策について検討を行なった。

 なお、ここでいう違法情報とは「法令に違反したり、他人の権利または法律上保護される利益を侵害する情報」、有害情報とは「違法な情報ではないが、公共の安全や秩序に対する危険を生じさせる恐れのある情報や特定の者にとって有害と受け止められる情報」を指す。

 まず、違法情報については、違法情報の例示や判断基準の提示を行なうとともに、警察などからの送信防止措置依頼に対して対応手順を参照できるガイドラインを策定することが提言された。

 一方、有害情報のうち、まず公序良俗に反する情報について、「特定の情報が有害であるか否かは受け手によって異なるため、電子掲示板の管理者等と利用者との間の契約関係等について、統一的な基準を設けて自主的対応を促すことには慎重な検討が必要」とした。しかし、近年ではインターネット上の情報の流通を契機として違法行為が行なわれる事案が発生しているとし、「電気通信事業者団体等において、モデル約款等の形で一定の指針を示すことにより、電子掲示板の管理者等による送信防止措置を支援することが適当」としている。

 また、有害情報のうち、青少年など特定の者にとってのみ有害な情報については、「どの情報を有害ととらえるかは受信者ごとに異なることから、受信者側で情報の取捨選択を行なうフィルタリングの導入が有効」だという。しかし、フィルタリングの認知度や普及率は未だに低水準にとどまっているとし、フィルタリングサービスの利用促進に向けた普及・啓発活動をより一層推進するとともに、利用者のニーズに応じたフィルタリングサービスの改善などが期待されるとしている。

 このほか最終報告書案では、プロバイダーや掲示板の管理者が違法情報を放置した場合の民事・刑事責任や、インターネットにおける匿名性、海外からの情報発信などの論点について検討結果を取りまとめている。総務省では、最終報告書案についてのパブリックコメントを7月21日まで募集し、8月上旬をめどに最終報告書を公表する予定だ。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060630_11.html

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( 永沢 茂 )
2006/07/03 17:49

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